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大学入試の国語・小論文
  に関するワンポイント・アドバイス
大学入試 基礎講座 『講師の心がまえ』 其の二
「コーチング」〈指導法について〉

十数年、国語の教育にたずさわってきましたが、指導法についてもっとも負うところが大きいのは伴流ボクシングジム、団元気先生の指導法でした。

団先生は「最低限~だけ」から「最大限~まで」というのをよく心得て指導なさっていました。初級者の練習には「○○だけ注意しろ!」と、一点に絞って指導し、あれもこれも矯正しようとしません。他方、上級者には逐一修正点をあげて指導していました。

先に、「最低限から最大限へ」ということを書きました。それは団先生から教わったものです。

初心者の練習(勉強)を見ると、まるでなっちゃいない、そこで「あれも、これも」口を出したくなるものです。でも、そこで黙って見ていられるのが指導者の力なのだろうと思います。

親・教師・講師、いずれにしても自分がすでに「なっている」立場に立って、「なっちゃいない」者にいちいちダメだしをしていたら、指導される側はウンザリするはずです。

山を登るとしましょう。ふもとからずっとピークをめざして一直線に登っていく、ということはありえないでしょう。一つ、ピークを越すと次のピークが見える、そのピークを越すとまた次のピークが見える、そのまたピーク…、と繰り返しているうちに、ゴールが見えてきます。目の前のピークしか見えていない者に「次のピーク」「次の次のピーク」のことをこと細かに話してもわけがわからなくなるだけです。

全体像をおおざっぱに示したら、具体的に見える目の前のピークを越えるように指導していく、いよいよゴールが見えてきたら、ゴールに向けてきめ細かく指導していく、というのが私の指導の基本です。大学受験の一年の時間の流れは均質ではありません。

 

時間の流れ=「最低限」から「最大限」へ!

 

それを図にあらわすと「しり上がり」の形になるでしょう。
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【2007/03/21 12:37】 | 講師の心がまえ | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『講師の心がまえ』 其の一
「大学受験 国語の指導」 〈現代文と古文・漢文〉

そもそも、現代文、古文、漢文にわたって、きいたふうなことをぬかしているわけですが、「オマエの専門はいったい何か?」という疑問はあるでしょう。講座を運営するにあたり、最初にハッキリさせておかなければなりませんね。

私は、現代文のプロでもなければ、古文・漢文のプロでもありません。でも、「国語のプロ」だということは明言しておきます。反対に、「古文のプロ」「現代文のプロ」を自任していらっしゃる先生は、「国語そのもののシロウト」なのだろうと思います。と、ちょっとナマイキでしたね。

センター試験に「国語」という教科はありますが、「現代文」「古文」「漢文」という教科はありませんね。「古文しか教えられない」ということは、教科そのものを教えられないことを意味していないでしょうか。

また、細分化がすすみ、「現代文」「古文」「漢文」という分類が自明の存在のように受験生(あるいは教えている先生にも)見えているでしょうが、「古文」と「現代文」に果たして明確な切れ目があるのでしょうか?「漢文」と「古文」「現代文」に明確な切れ目があるのでしょうか?

典型的なのが「融合文」です。早稲田大学でよく出題される「現古融合文」「現漢融合文」「古漢融合文」は、「現代文のプロ」が教えるのでしょうか?「古文のプロ」が教えるのでしょうか?あるいは、同じく早稲田大学でよく出される「明治時代の文語文」は、「現代文のプロ」が教えるのでしょうか?漱石でも、鷗外でも、漢文の知識なしに教えられるのでしょうか?

また、上智大学を志望している方は、一度、実際に過去問を解いてみるとよいでしょう。上智の国語は、平安古文にホレボレするようなよい問題がありますが、漢文や現代文に本当にロクでもない問題が散見されます。例えば、「現代文=わけわからん、近世古文=誰が解いたって満点だろう」ということもよくあります。この場合、現代文はさっさとやりぬけて、古文でしっかり満点をかせがなくてはなりません。現代文は時間かけようがかけまいが、点差が開かないでしょう。「現代文のプロ」は現代文で満点を取るように指導するでしょうし、「古文のプロ」は古文で満点を取るように指導するでしょう。その結果、もし、現代文でじっくり時間をかけて、古文を解く時間がなかった、という受験生がいるとしたら、あまりにかわいそうですね。「現代文のプロ」は「上智の現代文、わけわからんかったら捨てて、古文でかせげ」とは絶対に指導しないと思いますよ。

 

国語の実力は総合力!

 

一点豪華主義の危険性は前回述べました。お茶の水ゼミナールさんやZ会さんは現・古・漢にわたって講師が責任をもって指導してくれます。「国語」そのものの指導のあり方としてはきわめて正しいと思いますが、いかが?

ちなみに、自分が有能な講師であったとは少しも思いません。ただ、多くの優秀な生徒さんたちが自分を鍛えてくれたのだと、心から感謝しております。
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【2007/03/10 09:11】 | 講師の心がまえ | トラックバック(0) | コメント(0)
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プロフィール

谷村 長敬(たにむら ちょうけい)

Author:谷村 長敬(たにむら ちょうけい)
1965年生まれ。立教大学大学院修士課程修了。在学中、赤坂憲雄先生に師事。院生による共著に『「注文の多い料理店」考』。お茶の水ゼミナールで国語全般担当。テキスト(現代文・古文)、小テスト(年間3000点分)の作成にたずさわる。2006年、「ワークショップ フットプリンツ」創業。現代文と小論文を並行して演習する講座をはじめる。趣味はスキー。

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