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大学入試の国語・小論文
  に関するワンポイント・アドバイス
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の四十
「敬語」 〈敬語の確認!〉

さあ、敬語をひととおり終えたところで、確認テストをしてみましょう。簡単なテストではないので、自信のない人はもう一度敬語の記事を見直してから受けてください。今回は五十点満点、四十点以上を合格としましょう。早稲田大学に合格したいなら、このレベルは当然、満点を取ってほしいところです。なぜかって?早稲田大学なら、このレベルに、さらに難解な文脈が加わるからです。

 

 

【敬語 確認テスト】

                                                 /五十点


問一、次の敬語表現にあたるものをのちの語群よりすべて選べ(複数解答可、同じものを何度用いてもよい)。 

           (三点×六=十八点 完全解答、一つでも多い、少ないものは×)

1.「与ふ」尊敬    (          )

2.「与ふ」謙譲    (          )

3.「受く」謙譲    (          )

4.「行く・来」謙譲  (          )

5.「出づ」謙譲    (          )

6.「(皇后に)言ふ」謙譲   (          )

【語群】

a たうぶ   b 参らす   c 給ふ   d たまはる   e まかづ

f まかる   g 奏す   h たまはす   i まうづ   j 啓す

 

問二、次の文中の「給ふ」について、謙譲はa、尊敬はb、としなさい(設問の都合によりカギカッコ「 」は省略)。                                    

          (二点×四=八点)

1.~とこそ思ひ給ふれ。 (  )

2.~と思ひ給へず。   (  )

3.~とぞ思ひ給へる。  (  )

4.~と思う給へらる。  (  )

 

問三、次の空欄に「給ふ」を適当に活用させて補いなさい(例文は会話文)。

          (三点×三=九点)

「(私がいつまでもこの世に生きていられる身ではない)と思ひ(  )て、(出家を覚悟するが、少将が私を愛しい)と思ひ(  )て、(いろいろ世話してくださることばかりが、出家のさまたげである)となむ思う(  )」

 

問四、次の語を活用させ、適当に並べかえなさい。        

          (三点×二=六点 完全解答)

1.(少将は姫君にお手紙を)給ふ 奉る 書く 。 → (            )

2.「(私自身の罪だと)給ふ 思ふ 知る」 → (            )

 

問五、次の傍線部を口語訳しなさい。                       

          (三点×三=九点)

1.大臣、御車に奉りつるのちに、 (          )

2.大御酒参りいたくゑひけり。  (          )

3.「その銭、われにたべ」    (          )
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【2007/05/13 14:29】 | 古文の基礎 21-40 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の三十九
「敬語」 〈敬語動詞を覚えよう!〉

総仕上げです。今まで同意語グループでまとめてきました。最後に反意語グループでまとめて敬語はおしまい!

 

 

給ふ⇔たまはる】

        給ふ・たぶ・たうぶ・たまはす

         (「与ふ」尊敬 お与えになる・くださる)

         

たまはる

  (「受く」謙譲 いただく)

※「たまはす」と「たまはる」をまちがえないように!「たぶ」「たうぶ」活用して「かな」で書かれてもきちんと訳せるように!

 

 

【のたまふ⇔うけたまはる】

       のたまふ・のたまはす

       おほす・おほせらる

         (「言ふ」尊敬 おっしゃる)

         

うけたまはる

  (「聞く」謙譲 うかがう)

 

 

【申す・聞こゆ⇔聞こし召す】

       聞こし召す

         (「聞く」尊敬 お聞きになる)

         

申す・聞こゆ・聞こえさす


  (「言ふ」謙譲 申し上げる)

※「聞こゆ」「聞こえさす」の謙譲きちんと訳せるように!「小ネタ」として、選択肢を消す道具として使うように!「奏す」「啓す」の「言う対象」をしっかりおさえておくように!

 

 

【参る・まうづ⇔まかる・まかづ】

                        貴 所

参る・まうづ         ↑↓ まかる・まかづ

まうで来           ↑↓ まかり出づ

  (「行く」「来」謙譲 参上する)            (「出づ」謙譲 退出する)

※敬意の方向を問われたときに「まかる」「まかづ」は気をつけてください。つねに出てくる貴所(貴人)に対する敬意です。

 

以上、これで敬語はバッチリ!!

ちなみに、センター試験で出るような気がしてならないんですけど…。
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【2007/05/12 17:04】 | 古文の基礎 21-40 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の三十八
「敬語」 〈敬語動詞を覚えよう!〉

ラスト!丁寧をやって敬語動詞はおしまい。お疲れさまでした~。

 

【丁寧】(「あり・をり」丁寧グループ)

                  活用

はべり(侍り)   ラ変

さぶらふ(候ふ)  四段

           種類      意味              平常語

           本動詞     あります・ございます    あり・をり

           補助動詞    ~です・~ます

 

※「侍り」「候ふ」は、謙譲・丁寧ともに用法は同じです。平安時代には「侍り」が、平安末から中世にかけては「候ふ」が用いられました。なんのことはない、使われる時代がちがうだけです。

 

 

【謙譲(へりくだり)】

            活用     種類      意味

たまふ(給ふ)  下二段   補助動詞    ~ます・~させていただく

 

※「『古文の基礎』 其の二十九」で死ぬほど解説してきましたね。最重要、ウルトラ五つ星マークです。【丁寧】のあとでわざわざあげた理由はもうわかりますね?そう、読み手・聞き手を高める(丁寧)か、書き手・話し手自身を低める(へりくだり)か、やり方のちがいであって、結果は同じでしたね。「コミュニケーション(言葉のやりとり)関係において言葉の受け手側に敬意をあらわす」という点では共通しています。だから、謙譲のくせに「~ます」なんて訳すのでしたね。

ここにいたって「んなの、わかってるよ」と言えるようなら、キミは敬語マイスター認定です。
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【2007/05/11 20:31】 | 古文の基礎 21-40 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の三十七
「敬語」 〈敬語動詞を覚えよう!〉

 

【謙譲】(「行く・来」謙譲グループ)

 活用    種類    意味             平常語         

まゐる(参る)         四段    本動詞  参上する・参詣する        行く・来

                                   して差し上げる・差し上げる   す・与ふ

まうづ(詣づ・参づ)   下二段    本動詞  参上する・参詣する        行く・来

 

【謙譲】(「出づ」謙譲グループ)

                活用     種類        意味       平常語

まかる(罷る)   四段    本動詞       退出する     出づ

まかづ(罷づ)   下二段   〃           〃        〃

まかりいづ       〃     〃           〃        〃

 (罷り出づ)

 

※「まかる」については「都から地方に下る」意味もあります。

両者の対立関係はのちにまとめましょう。

 

【謙譲】(「仕ふ」謙譲グループ)

                  活用

はべり(侍り)     ラ変

さぶらふ(候ふ)   四段

       種類    意味              平常語

                      本動詞    お仕えする・伺候する     仕ふ

 

【謙譲】(その他)

つかう(へ)まつる(仕う(へ)まつる)

    活用     種類       意味             平常語

       四段    本動詞      お仕え申し上げる     仕ふ

       〃      補助動詞    ~し申し上げる

 

うけたまはる(承る)

    活用     種類        意味              平常語

      四段     本動詞       いただく・うかがう      受く・聞く

                          お引き受け申し上げる   引き受く

 

たまはる(賜る・給わる)

    活用     種類         意味             平常語

      四段     本動詞       いただく            受く

       〃      補助動詞      ~していただく

 

※「たまはる」と「たまはす(「与ふ」尊敬 お与えになる・下さる)」をよくひっかけますよ。
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【2007/05/11 16:54】 | 古文の基礎 21-40 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の三十六
「敬語」 〈敬語動詞を覚えよう!〉

尊敬をひととおり終えたところで、謙譲に入ります。

 

【謙譲】(「与ふ」謙譲グループ)

活用  種類     意味             平常語

たてまつる(奉る)    四段  本動詞  差し上げる・参上させる  与ふ・(人を)やる

                          補助動詞  ~し申上げる

まゐらす(参らす)    下二段  本動詞   差し上げる       与ふ

                          補助動詞  ~し申上げる

 

※「奉る」「参る」の尊敬の用法に注意!「参る」「参らす」のちがいに注意!「『古文の基礎』其の二十七」参照。特にも「参らす」や「参らせ給ふ」などの訳出にはくれぐれも注意しましょう。

 

【謙譲】(「言ふ」謙譲グループ)

                       活用

まうす(申す)           四段

きこゆ(聞こゆ)         下二段

きこえさす(聞こえさす)  下二段

                               種類    意味          平常語

                               本動詞   申し上げる       言ふ

                               補助動詞  ~し申し上げる

 

※「申す」「聞こゆ」「聞こえさす」ともに、本動詞、補助動詞の用法が同じ。「動詞+聞こゆ」「動詞+聞こえさす」と傍線部にあったら、選択肢はまっ先に謙譲の補助動詞、「動詞し申し上げる」で洗うように言いましたね。選択肢を減らす「小ネタ」として「『古文の基礎』其の二十八」で述べました。

「聞こゆ」「聞こえさす」については、

   聞こゆ < 聞こえさす(敬意強)

敬意の強さの違いを読み分けて、会話主の判定に使うように。「『古文の基礎』其の三十一」で述べました。

 

【謙譲】(「言ふ」謙譲グループ・ただし絶対敬語・本動詞の用法のみ)

             活用   種類       意味            平常語

奏(そう)す   サ変   本動詞    申し上げる・奏上する    言ふ

啓(けい)す    〃    〃      申し上げる           〃

 

※「申し上げる」対象が絶対的に決まっているのでしたね。

  奏す … (天皇・上皇・法皇に)申し上げる・奏上する

  啓す … (皇后・中宮・東宮に)申し上げる

主語をまちがえないように、でしたね。「主語が誰かはわからない」、文脈次第ですよ。と、虫食い問題になりますから、「申し上げる」対象をしっかりおさえましょう。「『古文の基礎』其の三十」で述べました。
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【2007/05/09 17:32】 | 古文の基礎 21-40 | トラックバック(0) | コメント(0)
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プロフィール

谷村 長敬(たにむら ちょうけい)

Author:谷村 長敬(たにむら ちょうけい)
1965年生まれ。立教大学大学院修士課程修了。在学中、赤坂憲雄先生に師事。院生による共著に『「注文の多い料理店」考』。お茶の水ゼミナールで国語全般担当。テキスト(現代文・古文)、小テスト(年間3000点分)の作成にたずさわる。2006年、「ワークショップ フットプリンツ」創業。現代文と小論文を並行して演習する講座をはじめる。趣味はスキー。

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