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大学入試の国語・小論文
  に関するワンポイント・アドバイス
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の二十三
「敬語」 〈敬意の方向 1〉

「用言の活用」「係り結び」をひととおり終えたところで、敬語の講義に入ります。「敬語」とは、すなわち「敬語動詞」、動詞ですから、ここにいたって動詞の活用がわからないようでは困りますよ。

まずはじめに、「敬意の方向」から確認しましょう。なぜ「敬意の方向」をおさえなければならないのか?

考えてみてください。我々が読む古文、特に平安の古文、どのような人が書いたものでしょう?当時、文字をかけた人、和歌を詠めた人、って、そう、貴族階級の人たちなんですね。そのような人たちが身のまわりのことを日記、随筆、物語にしていったものを我々は「古文」として読んでいるわけです。つまり、古文は階級社会(上下関係)の中で書かれているということです。当然、人物関係はその上下関係を色濃く反映していきますね。

古文を読んでわかりづらいのは、いろいろありましょうが、やはり人物関係なのです。また、「主語の問題」「会話主の問題」によくなります。敬語はそれらを判断するうえで、決定的な役割をはたします。敬語がわかるから人物関係が全てわかる、わけではありませんが、敬語がわからないことには人物関係もわからんでしょう。人物関係の把握、そのいちばんキソになっていくのが「敬意の方向(誰から誰への敬意か)」なのです。

 

【敬意の方向】

 

尊敬(~なさる・お~になる)

語り手(作者・話し手) → 動作をする人

 

謙譲(お~申し上げる)

語り手(作者・話し手) → 動作の受け手・動作をされる人

 

丁寧(~です・~ます)

語り手(作者・話し手) → 読者・聞き手

 

〈誰からの敬意か?〉

これはカンタン。その文をもともと考えた人からの敬意です。「地の文(作者自身が書いている文。本文のいちばん下地となる文)」なら作者からの敬意。「会話文(だいたい「カギカッコ」をつけてくれます)」なら話してからの敬意。「手紙文」なら手紙を書いている人からの敬意。

 

〈誰への敬意か?〉

まず、「尊敬・謙譲」と「丁寧」とは別な敬語法だと考えてください。「尊敬・謙譲」は話題に出てくる人物(マンガでいえばフキダシの中の人物)に対する敬意を表します。

「丁寧」は話題中の人物には関係ありません(フキダシの中の人物には関係ない)。自分の話を読む人、聞く人への敬意を表します。

 

〈尊敬〉

動作をする人への敬意を表します。

 

〈謙譲〉

気をつけなければならないのは謙譲です。敬意の方向がきかれる場合も、だいたい謙譲がきかれるはずです。ここで注意すべきは


謙譲表現は低める表現ではない、高める表現だ!


ということです。ただし、「動作の受け手(動作される人)」を高めます。

(ダメ!)動作する人を低めることによって相対的に受け手を高める

なんて解説、よくやっていますが、こんなものを信じてはいけません。回りくどいだけです。「謙譲表現は受け手を高める」これでおしまいです。

 

〈丁寧〉

これはコミュニケーション(言葉のやりとり)関係の中で使われる敬語です。書く人から読む人(マンガや小説なら読者)への敬意、話す人から聞く人への敬意です。
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【2007/04/30 19:31】 | 古文の基礎 21-40 | トラックバック(0) | コメント(3)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の二十二
「係り結び 4」

★★★【「もぞ~連体形。」「もこそ~已然形。」の悪い予測を表す表現】

 

  もぞ~連体形。

  もこそ~已然形。

 =悪い予測(~するといけない・~すると困る・~したら大変だ)

 

・門(かど)よく鎖(さ)してよ。雨もぞ降る(四段活用「降る」の連体形)。

(門をしっかり閉めてしまいなさい。雨が降ったらいけないから。)

 

・烏(からす)などもこそ見つくれ(下二段活用「見つく」の已然形)。

(烏が見つけたら大変だ。)

 

「もぞ」「もこそ」がただの強調で使われる場合もよくあります。その場合は特に訳す必要はないでしょう。

近年、古文はベタな問題が出題される傾向にあるので、どこの大学でも出る可能性、大ですね。選択肢問題なら当然ゲット、記述になったときは、点差が開くので死んでも点数落とせませんよ。なにしろ記述は配点が高いですからね。

早稲田大学、上智大学では当然、ヒネリが入ってくると考えてください。ベタな口語訳を出したところで、このレベルの受験生の間で点差が開くはずがないでしょ?早稲田大学、上智大学で出題するなら、どう出すと思いますか…?かしこい受験生はそこまで考えなくてはいけません。

そう、もし出すなら、虫食い問題にします。いかにも上智大学とかやりそうでしょ?試しに問題にしてみましょうか。

 

問 空欄部を補うのにもっともふさわしい語句をのちの選択肢より選べ。

・門よくさしてよ。雨(   )降る。

 1 さへ   2 なむ   3 もぞ   4 だに

 

なんて、副助詞を選択肢に入れてやると、なかなかシブイ問いになるでしょ?つまり、文脈が読めていて、なおかつ文法事項も正確におさえていないと解けません。

以前、『受験生の心がまえ』で「やったレベル」、「知っているレベル」、「点数にできるレベル」は雲泥の差があるのだ!という話をしました。わかりますか?「点数にできるレベル」というのは、上記の問い、文脈がもっと難解になっても楽々クリアできる人のことをいうのです。
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【2007/04/29 17:09】 | 古文の基礎 21-40 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の二十一
「係り結び 3」

「係り結び」とはいうものの、きちんと結ばないではないか!という場合もあります。

 

 

★【結びの流れ】

係助詞「ぞ」「なむ」「こそ」の結びとなるはずの語が、接続助詞(「て」「ば」「ども」等)を伴った場合、接続助詞の接続にしたがい、係助詞の結びが流れてしまう場合があります。この場合、「連体形(已然形)で結べ!」という係助詞の約束は関係なくなってしまいます。


   ・花こそ咲きけれ。さるに人は来ず。

       ↓

  ・花こそ咲きける、人は来ず。(花が咲いたのに、人は来ない。)

  

「けり(過去の助動詞)」は、接続助詞「に」が連体形接続であるため「ける(連体形)」となり、係助詞「こそ」の「已然形で結べ!」という制約はなくなってしまいます。チラッとしか見ていませんが、今年の入試、早稲田大学政経学部で出題していたんじゃないですか?ん~、シブイ!

 

 

★★★【「こそ~已然形」の強調逆接構文】

「こそ~已然形。」の形で文が終われば単なる強調ですが、「こそ~已然形、~」の形で下の文に続いていくと逆接(~が、~ものの、~のに、~けれど、)していきます。


   ・中垣こそあれ、一つ家のようなれば、(中垣はあるものの、一軒の家のようなものなので、)

 

傍線部訳の選択肢問題、傍線部にこの表現があったなら、選択肢はまっ先に逆接で洗ってみてください。だいたい二者択一にしぼれるでしょう。

ちなみに逆接で洗っていったら、それだけで正解が出てくるという問題を上智大学でも早稲田大学でも出題しています。意外でしょ?しかし、ほとんどの受験生がこのような使い方をしていません。トホホ…。

和歌の場合、句読点は打たないので

「こそ~已然形。(句切れ)」…ただの強調

なのか

「こそ~已然形、~」…下に続いて逆接

なのか自分で判断しなければいけません。前後があいいれない、矛盾する関係だったら逆接で解釈し、そうでもなければただの強調、訳す必要はありません。どうです、ムズカシイでしょ?以前、『古文のツボ』でもさんざん述べましたが、受験生、最後の最後は「和歌の勝負」、と今から肝に銘じておきましょう。詳細は和歌の項で述べましょう。

 
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【2007/04/28 13:55】 | 古文の基礎 21-40 | トラックバック(1) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の二十
「係り結び 2」

 

【結びの省略】

 

「と + 係助詞。」

… 「言ふ」「聞く」の省略。伝聞(~ということだ・~そうだ)を表す。

 

(引用の格助詞)。       「言ふ(連体形)」の省略。(~ということだ・~そうだ)

と        なむ。                  〃

と         や。                  〃

と         かや。                〃

 

・その男、逃げにけりとなむ。(その男は逃げたそうだ。)

 

 

★★★「~にや。」「~にか。」

     … 「あらむ」の省略。断定の疑問を表し、「~であろうか」。

 

体言・連体形 + 「(断定「なり」連用形)」+ 「(係助詞)」。

あら(補助動詞「あり」未然形)」+「(推量の助動詞「む」連体形)」の省略。

                               … ~であろうか(断定の疑問) 

 

・何人の住む家にか。(どのような人が住む家であろうか。)

 

※表現のヴァリエーションとして

 

・推量「む」が過去推量「けむ」になり「にや(か)ありけむ」(~たのであろうか)

・推量「む」が現在推量「らむ」になり「にや(か)あるらむ」(今ごろ~しているのであろうか)

・補助動詞「あり」が丁寧の補助動詞「侍り・候ふ」になり

           「にや(か)侍らむ」「にや(か)候はむ」(~でしょうか)

・補助動詞「あり」が尊敬の補助動詞「おはす・おはします」になり

           「にや(か)おはさむ」「にや(か)おはしまさむ」(~でいらっしゃるのだろうか)

 

などがあります。あとはこれらの組み合わせ方の問題。この結びが省略された「にや。」「にか。」の「に」の説明が「に」の識別で最も問われます。今年のセンター試験でも出題されましたね。今の段階では、省略を補って訳せればよし、詳細は「断定の助動詞」で述べましょう。

 


※その他、文脈上わかりきっているものは、結びがガンガン省略されます。特にも、係助詞「なむ」の結びの省略は、「なむ」の識別のひっかけの王様です。

 

・いと恥づかしうなむ。…係助詞「なむ」。「ある」「侍る」の省略。

(とても恥ずかしいです。)

 

「恥づかしく(上記は連用形のウ音便)」と、形容詞の本活用連用形のあとの「なむ」は係助詞「なむ」に決まり!とはいえ、この段階では難しいでしょう。文法の最終レベル「なむ」の識別で詳述しましょう。コレ、本当にひっかかりますよ。
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【2007/04/27 18:56】 | 古文の基礎 1-20 | トラックバック(1) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の十九
「係り結び 1」

用言の活用をひととおり終えたところで、「係り結び」を見ていきましょう。基本はカンタン。

 

【結び】

係助詞              結びの形

ぞ・なむ・や・か   ~    連体形。

こそ         ~      已然形。

 

「ぞ・なむ・や・か」は文末「連体形。」、「こそ」だけが文末「已然形。」。

 

【意味】

ぞ・なむ・こそ  … 強意(訳す必要なし)

や・か      …疑問(~か?)・反語(~か、いや~ない)

 

「や」と「か」のちがいは、「や」は疑問語(5W1Hにあたるもの。「いつ」「たれ」「なに」「など」等)と用いられることはなく、それに対して、「か」は常に疑問語とともに用いられます。ちょっと古文を注意して読めばわかります。

つまり、「などか」「なにをか」「いつかは」といった用法はありますが、「などや」「なにや」「いつや」といった用法はありません。まあ、めったにきかれることはないでしょうが…。

「疑問」と「反語」のちがいは、あくまで文脈次第。現代文、漢文においても言えることですが、疑問と反語はほとんど同じ形をとります。ブラックボックス、疑問点が明らかな場合は「疑問」。文脈、または一般常識的に問いの答えがわかりきっているのにわざわざきいているなら「反語」でしょう。

たとえば、友達が何かカリカリ書いている、「ねえ、何書いてるの?」、だったら疑問でしょう。対して、夜中に人様の家の壁にラクガキをしている、「コラ、何を書いてるんだ!」、書いていることは明白、「ええ、『LOVE』と書いています」と答えたらかなりマヌケでしょ?つまり「何を書いておるのか、いや、書いてはいかんよ」ということを言おうとしているわけで、反語と考えるべきでしょう。

反語の口語訳はどこの大学でもよく出します。つまり「文脈」そのものが読めているか、問われているわけです。

あと、「やは」「かは」ときたら「反語」と、よく言われます。そのとおりなのですが、私の知るかぎり、「やは」「かは」で「疑問」の口語訳が立教大学で過去二回きかれています。やはり、あくまで文脈しだいなんですね。

ちなみに、「は」「も」も係助詞ですが、終止形で言い切るので、あえて「係り結び」としてあげません。
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【2007/04/26 22:47】 | 古文の基礎 1-20 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の十八
「用言の活用」 〈動詞・形容詞・形容動詞の復習〉  

では、前回の練習問題の解説と解答をしていきます。それぞれ、完全解答とします。×が三つまでならクリア、四つ以上ある人は「用言の活用」をもう一度おさらいしてから次に進んでください。

 

【練習問題2 解答と解説】

問一 次の動詞の活用をひらがな、歴史的仮名づかいで書きなさい。

植う( うゑ ・ うゑ  ・ うう ・ ううる ・ ううれ ・ うゑよ )

恨む( うらみ ・ うらみ ・ うらむ ・ うらむる ・ うらむれ ・ うらみよ 

率る( ゐ ・ ゐ ・ ゐる ・ ゐる ・ ゐれ ・ ゐよ )

※それぞれ「○ず」「○たり」「終止。」「○とき」「○ども」「命令!」につなげてみるのでしたね。できましたか?

 

 

問二 次の動詞の活用の種類をいいなさい。

はべり  ( ラ行変格活用 )※他に「さり」「かかり」などもラ変でしたね。

来    ( カ行変格活用 )※他に「まゐりく」「まうでく」などもカ変。

御覧ず  ( サ行変格活用 )※同様に、「す」をくっつけてサ変化する動詞は多数。

経(ふ) ( ハ行下二段活用 )※「寝(ぬ)」など、語幹語尾の区別が無い動詞はかな書きになったとき難!

往ぬ   ( ナ行変化球活用 )

※「活用の種類」と指示されたら、「行」を必ず書くように!

 

 

問三 次の形容詞を適当に活用させなさい。

 

花の散るも(をかし→ をかしかり )けり。

※助動詞「けり」は連用形接続。形容詞は下に助動詞がくる場合、補助活用でしたね。

 

花の散るも(をかし→ をかしき )ことと思ひけり。

※「こと」と体言に接続して本活用連体形。

 

 

問四 次の傍線部を口語訳しなさい。

 

花ををかしみひとり酒飲む (桜〈梅・花〉おもむき深い〈すばらしい・風情がある〉ので )

※「名詞 + を + 形容詞語幹 + み」は和歌でのみ用いられる原因理由の構文。形容詞の語幹にしかありません。和歌で訳をきかれて「み」とあったら、まっ先に疑ってみなくてはなりません。

 

あな、疾(と)。   ( ああ、早いことだなあ  なんと早いことだ )

※「あな(感動詞) + 形容詞・形容動詞の語幹」は感動詠嘆の構文。ク活用形容詞「疾(と)し=早い」の語幹「と」。ク活用の形容詞語幹、かなで書かれると本当に見つけづらいので注意が必要です。上記「をかし」のように、シク活用形容詞は終止形と語幹が同じなので見つけるのはラクチン。

 

をさなの人や。   ( 子供っぽい人  幼い人    )

※「形容詞・形容動詞の語幹 + の + 名詞」は連体修飾の構文。何のことはない、連体形と同じです。上記なら「をさなき人」と同じ。むしろ、「の」を訳すとアヤシゲな日本語になってしまいます。

 

問五 次の文中から音便をおこしている語を抜き出し、もとの形を書きなさい。

 

なさけなき人にぞあめる。   音便をおこしている語(  )もとの形( ある )

※「ラ変・ラ変型活用語の連体形」が推定「なり」「めり」をともなって撥音便をおこす場合があります。今の段階では撥音「ん」をおぎなって読めればよし。やがては古典文法の大きな山場になっていきます。古典文法を身につけるか、いつまでたっても「わからんわからん」か、その分かれ目ですよ。今から覚悟しておきましょう。問題にもからむし、そもそも撥音便無表記を読めないと古文の読解そのものが成り立ちません。

 

あはれに思ひたまうて銭あたふ。          ( たまう )  ( たまひ )

※ハ行四段連用形のウ音便は、さほど設問にからむわけではありませんが、読めないとやはり、古文読解そのものが成り立ちません。
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【2007/04/25 19:20】 | 古文の基礎 1-20 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の十七
「用言の活用」 〈動詞・形容詞・形容動詞の復習〉

用言をひととおり終えたところで、用言全体の確認をしておきましょう。

 

【練習問題 2】

 

問一 次の動詞の活用をひらがな、歴史的仮名づかいで書きなさい。

植う (    ・    ・    ・    ・    ・    )

恨む (    ・    ・    ・    ・    ・    )

率る (    ・    ・    ・    ・    ・    )

 

問二 次の動詞の活用の種類をいいなさい。

はべり  (         )

来    (         )

御覧ず  (         )

経(ふ) (         )

往ぬ   (         )

 

問三 次の形容詞を適当に活用させなさい。

花の散るも(をかし→         )けり。

花の散るも(をかし→         )ことと思ひけり。

 

問四 次の傍線部を口語訳しなさい。

花ををかしみひとり酒飲む   (             )

あな、疾(と)。   (             )

をさなの人や。   (             )

 

問五 次の文中から音便をおこしている語を抜き出し、もとの形を書きなさい。

なさけなき人にぞあめる。       音便をおこしている語(     ) もとの形(     )

あはれに思ひたまうて銭あたふ。                (     )       (     )



次回、解答解説をしていきます。
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【2007/04/24 15:00】 | 古文の基礎 1-20 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の十六
「用言の活用」 〈動詞・形容詞・形容動詞の音便〉

用言の仕上げに音便を見ておきましょう。

「音便」とは、他の音に変化することです。

 

 

【動詞の音便】

※中世から派生した音便、現代語と同じものは省略。平安の古文の読解に必要なものだけあげます。

 

★〈ウ音便〉

「ウ」音に変化するものが「ウ音便」。ハ行四段の連用形が「て(接続助詞)」「たり(完了の助動詞)」をともなってウ音便を起こす場合に注意しましょう。

   ・思ひて → 思うて

   ・給ひて → 給うて

 

★★★★★〈撥(はつ)音便〉

ピョンと「撥(は)ねる」ので、「ん」のことを「撥音」と言います。撥音「ん」に変化するものが「撥音便」。

ラ行変格活用(ラ変型活用語)の連体形が推定の助動詞「なり」「めり」をともなって撥音便をおこす場合に要注意!そして、撥音「ん」を表記する文字が無かったため、平安時代の作品はだいたい「ん」が書いてありません。

   ・あるめり → あめり → あめり (読むときは「あんめり」と読む)

   ・あるなり → あなり → あなり (   〃   「あんなり」 〃  )

形容詞補助活用や形容動詞がラ変型活用語なのを忘れないように!この段階では難しいので、推定の助動詞「なり」「めり」のところで詳しく解説しましょう。

 

【形容詞の音便】

〈イ音便〉

連体形がイ音便をおこす場合があります。

   ・高き山 → 高い山

〈ウ音便〉

連用形がウ音便を起こす場合があります。

   ・重くて → 重うて

★★★★★〈撥音便〉

補助活用連体形が推定の助動詞「なり」「めり」をともなって撥音便をおこす場合があります。

   ・うつくしかるなり → うつくしかなり → うつくしかなり

                      (読むときは「うつくしかんなり」と読む)

 

【形容動詞の音便】

★★★★★〈撥音便〉

連体形が推定の助動詞「なり」「めり」をともなって撥音便をおこす場合があります。

   ・あはれなるめり → あはれなめり → あはれなめり

                     (読むときは「あはれなんめり」と読む)

 

 

早稲田大学の古文の難しさは「かな」だと…って、もういいでしょ?次の音便のもとの形を説明してみてください。

   1 恋人を〈おもうて〉手紙を書く。

   2 荷物が〈おもうて〉かなわん。

1は「思ひて」のウ音便、2は「重くて」のウ音便。どうですか?実は音便は、「かな」で書かれると、とたんに難しくなります。上記は文脈がバレバレだから楽勝、もっと文脈が難しくなったらどうします?音便だからといってナメてはいけません。
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【2007/04/20 16:13】 | 古文の基礎 1-20 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の十五
「用言の活用」 〈形容詞・形容動詞の語幹構文〉

形容詞・形容動詞は語幹の独立性が強く、語幹をもとにいろいろな表現が作られていきます。古文を読解していくうえでおさえておかなければなりません。

語幹構文の解説の前に、形容詞・形容動詞の「語幹」と「活用語尾」をもう一度復習しておきましょうか。

「語幹」とは、活用しても形が変わらない部分、「活用語尾(以下、語尾と省略)」とは、活用にともない形が変わっていく部分。

ク活用形容詞「早し」なら、「語幹=はや」「語尾=く・から・く・かり・し…」。

シク活用形容詞「なつかし」なら、「語幹=なつかし」。以前に解説したとおり、シク活用形容詞は語幹と語尾を明確に分けることができません。でも、「語幹構文」としてひとくくりにした方が皆さんがラクチンだと思いますので、終止形と同じ「なつかし」を「語幹」として解説していきます。つまり、「ク活用形容詞の場合は語幹、シク活用形容詞の場合は終止形」として解説すると、構文が二つになって面倒でしょ?というだけのことです。

ナリ活用形容動詞「あはれなり」なら、「語幹=あはれ」、「語尾=なら・なり・に・なり…」。

さて、解説していきましょう。

 

★【形容詞・形容動詞の語幹を用いた感動、詠嘆の構文】


・「あな(感動詞)」+形容詞・形容動詞の語幹

感動、詠嘆(ああ~だなあ。なんと~ことよ。)


・あな、をさな   (ああ、子供っぽいことだなあ)

・あな、いみじ   (なんと、ひどいことだ)

・あな、あはれ   (ああ、悲しいことだなあ)


 

★【形容詞・形容動詞の語幹を用いた連体修飾の構文】


形容詞、形容動詞の語幹+「」+体言(名詞)

        =連体修飾(連体形の感覚で訳す)


・憎(にく)の男=憎き男   (憎い男)

・をかしの御髪(みぐし)=をかしき御髪   (すばらしい髪)

・とみの事=とみなる事   (急な用事)

 


★★★★【形容詞の語幹を用いた原因、理由の構文】…和歌のみで用いられる。


体言(名詞)+「」+形容詞の語幹+「(接尾語)」

        =原因、理由(名詞++形容詞+ので、)


・瀬を早み岩にせかるる滝川~   (瀬が早いので~)

・野をなつかしみ~   (野が離れがたいので~)


上智大学でよく出していますね。センター試験も早稲田大学も和歌大好き!…ということは出る確率、大なりですね。和歌でしか用いられない構文ですから。

ちなみに、和歌は定型、字数制限がありますから、よく省略がおこります。


      ・山高み … 山(を)高み   (山が高いので)

      ・逢ふこともなみだに浮かぶ我が身には~  

      (かぐや姫、あなたと逢うこともないので、悲しみのに浮かんでいる我が身には~)

       ※「涙」の「なみ」に「無み」が掛けられている。


と、だんだん難しくなるでしょ?いちばん難しいのは、ク活用形容詞語幹が「かな」で書かれた場合です。上記の例だと「瀬をはやみ」と「かな」で書かれると、途端に難しくなります。まして「なみだ」なんて掛詞になった日には、たまったものではありません。でも、そこをあやまたずうがってくるのが早稲田大学。早稲田大学の古文の難しさは「かな」だと、再三、口をすっぱくして言っておきましょう。

この構文、ク活用語幹の訳出のポイントは、

 

和歌で訳を聞かれて、訳せない「み」があったら、「し」をくっつけてみて、ク活用形容詞ではないか、確認してみる

 

です。上記の例なら「はやみ?→早し!」「なみ?→無し!」といった具合です。

かしこい受験生は戦略的にものごとを考えねば、ですよ。
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【2007/04/20 09:22】 | 古文の基礎 1-20 | トラックバック(2) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の十四
「用言の活用」 〈形容動詞〉

「形容動詞」とは、「様子、状態(あんなだ、こんなだ)を表現し、必ず「なり」「たり」で言い切る語」です。「もの」「こと」の「形容」をする、という点では「形容詞」と同じです。ただ、「動詞っぽく」活用するので、形容動詞。

形容動詞には「ナリ活用」と「タリ活用」の二種類がありますが、とにかく「ナリ活用」をしっかりおさえましょう。

「~に」がもともとの形、それにラ変動詞「あり」をくっつけて活用語にしました。

   「~にあら」 → 「~なら」

   「~にあり」 → 「~なり」

   「~にある」 → 「~なる」

   「~にあれ」 → 「~なれ」

よって、

 

形容動詞も、連用形「~に」をのぞけば、ラ変型活用語

 

なのです

 

【ナリ活用】

未然形  連用形  終止形  連体形  已然形  命令形

なら    なり    なり    なる    なれ    なれ

       に

 

【タリ活用】

未然形  連用形  終止形  連体形  已然形  命令形

たら    たり    たり    たる    たれ    たれ

       と

 

「タリ活用」は「堂々たり」のように、漢語にくっついて用いられます。そんなに出てくる活用じゃないので、まずは「ナリ活用」しっかり!です。

ちなみに、断定の助動詞「なり」が全く同じ活用をします。

両者は、文法の最終段階で最重要となってくる、三大識別問題「『なり』の識別」「『なむ』の識別」「『に』の識別」の「なり」「に」に決定的にかかわってきますから、くれぐれも活用しっかり!
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【2007/04/19 06:48】 | 古文の基礎 1-20 | トラックバック(1) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の十三
「用言の活用」 〈形容詞 2〉

【ク活用とシク活用】

語幹と活用語尾について。用言を活用させたときに、「幹(みき)」のようにどっしり動かない部分を「語幹」、活用にともない形をかえていく部分を語のシッポ、「活用語尾」といいます。

「良し」を活用させてみると、

 

(よ)く     (よ)く     (よ)

(よ)から   (よ)かり     ○

 

と、語幹「よ」、活用語尾「く」「から」「く」「かり」「し」と、語幹と語尾を分けることができます。同じノリで「うつくし」を活用させてみると、

 

(うつくし)く     (うつくし)く     (うつくし)

(うつくし)から   (うつくし)かり     ○

 

と、語幹「うつくし」、活用語尾「く」「から」「く」「かり」「活用語尾なし!(活用語である以上ありえない)」と明確に語幹と活用語尾を分けることができません。そこで、「よし」のような活用を「ク活用」、「うつくし」のような活用を「シク活用」といって区別しています。似ているけれども、終止形が決定的に違うんですね。

まあ、さほど重要というわけではないのですが、一応、活用が違うということだけはアタマのスミに置いておきましょう。形容詞の活用は「ク活用」をしっかりおさえ、「シク活用」は、それに「し」をくっつけるだけです。ただし、終止形だけは特殊、それでいいでしょう。「ク活用」「シク活用」の見分け方は、「は(係助詞)」「て(接続助詞)」にくっつけて「く」でくっつくのは「ク活用」、「しく」でくっつくのは「シク活用」といったところです。

語幹について、ク活用は上記、「良し」の「よ」を語幹としますが、文法説明上、シク活用については上記、「うつくし」の「うつくし」を語幹としていきます。シク活用については終止形と語幹が同じ形、として解説していきます。べつに重要でもなんでもないのですが、重要構文を解説するにあたり、約束事として最初に決めておきましょう。
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【2007/04/18 03:01】 | 古文の基礎 1-20 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の十二
「用言の活用」 〈形容詞 1〉

動詞をひととおりさらって、活用形の説明をしてきました。次に形容詞に入ります。

「形容詞」とは、「様子、状態(あんなだ、こんなだ)を表現し、必ず「し」で言い切る語」です。何か形容詞を思い浮かべてみてください。必ず「~し」で終止しているはずです。「いみじ」など、「じ」で終止するものも同じです。活用は「本活用」と「補助活用(カリ活用)」の二つがあります。

 

【形容詞の活用】

未然形  連用形  終止形  連体形  已然形  命令形

 (く)     く      し     き    けれ    ○    …本活用

 から    かり     ○    かる    ○    かれ   …補助活用

 

「本活用」とは、形容詞本来の活用です。下に助動詞がくるとき以外は、原則、本活用を使います。

「補助活用」とは、助動詞に接続させるために生まれた補助的な活用です。「形容詞」とは「ものごとの形容をする」、つまり、「もの」「こと」、体言(名詞)と相性がいいのです。それに対して「助動詞」は「動詞のお助け」ですから、動詞と相性がいい、よって、形容詞と助動詞はくっつきにくい。

   ・良く(連用形)+けり(連用形接続の助動詞)

とくっつけてみるとわかりますね。そんな形は存在しません。そこで、間に補助的に動詞「あり」を補います。すると、

   ・良く(連用形)+あり(ラ変動詞連用形)+けり(連用形接続の助動詞)

ホラ、くっついたでしょ?「良くありけり」→「良かりけり」、こうして補助活用が生まれました。他も同じ。「良くあらず」→「良からず」。「良くあるべし」→「良かるべし」。「良くあれ」→「良かれ」。と、補助活用ができました。

「あり(ラ変)」に接続する終止形接続の助動詞は存在しません。終止形接続の助動詞は全てラ変には連体形に接続します(上記の「良かるべし」)。よって補助活用の終止形は○。已然形接続の助動詞も存在しません。サ変の未然形、四段の已然形に接続する「り」はありますが…。だから已然形も○。

ここできちんとおさえておかなければならないのは、補助活用の定義です。

 

形容詞の補助活用…下に助動詞をともない、ラ変型に活用する。

 

例外もありますが、それは後に助動詞のところで述べましょう。のちのち終止形接続の助動詞、特にも「撥(はつ)音便の無表記(良かなり→良かんなり)」のところで受験生、いっせいに「わからんわからん」と言い出すので、ここでしっかり補助活用の定義をおさえてください。くどいようですが形容詞補助活用は「ラ変型活用語」ですよ!
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【2007/04/16 18:38】 | 古文の基礎 1-20 | トラックバック(2) | コメント(1)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の十一
「用言の活用」 〈活用の確認〉

前回、活用形の基本的な意味をたどりました。では、実際に動詞を活用させてみましょう。動詞の活用を確認する手段として知っておくとよいです。

 

未然形…未然形接続の助動詞「ず」につなげてみる。

連用形…連用形接続の助動詞「たり」、連用形接続の接続助詞「て」につなげてみる。

終止形…「~。」で言い切る。

連体形…体言(名詞)「こと」や「とき」につなげてみる。

已然形…已然形接続の接続助詞「ども」につなげてみる。

命令形…「~!」と命令してみる。

 

どれを使ってもよし。自分が活用させやすいパターンを作っておくとよいでしょう。以下はあくまで一例です。

 

未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形

   ○たり  ~  ○とき  ○ども  ~

 

たとえば、以前、練習問題でやった「立つ」だったら、

 

立た 立ちたり 立つ 立つとき 立てども 立て…四段活用

立て 立てたり 立つ 立つるとき 立つれども 立てよ…下二段活用

 

などという具合に活用を確認してみるといいですね。

早稲田大学商学部のように「次の語を活用させ適当にならべかえなさい」と、古文作文のような問題を出すところでは、特にも注意が必要です。「寝(ぬ)」はナ行下二段活用ですから、「寝(ね)るとき」ではなくて「寝(ぬ)るとき」、「経(ふ)」はハ行下二段活用ですから、「経(へ)るとき」ではなくて「経(ふ)るとき」、など、シンプルだけれど、受験生が簡単にひっかかるところですよ。
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【2007/04/15 18:15】 | 古文の基礎 1-20 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の十
「用言の活用」 〈活用形〉

動詞の活用をひととおりさらったところで、活用形の意味を確認しておきましょう。普段なにげなく使っている活用形ですが、それぞれちゃんと意味があります。

 

【未然形⇔已然形】

未然形…「未」は漢文の再読文字「いまだ~ず」、否定詞です。「然」は「しかり(そうである)」、よって「未然」とは「未(いま)だ然(しか)らず」と読みます。「未然形」とは「まだそうなっていない形」の意です。

※「未然形+ば(接続助詞)」=仮定条件(もし~ならば、)が典型。動作はまだおこなわれていない、仮定された状態にあります。

已然形…「已」は漢文でも多用される完了の副詞「すでに」。よって「已然」とは「已(すで)に然(しか)り」と読みます。「已然形」とは「もうそうなってしまった形」の意です。

※「已然形+ば」=確定条件(~ので、)が典型。動作はもうおこなわれてしまった、確定した状態にあります。

 

【連用形⇔連体形】

連用形…漢文調で読むと「用(言)に連なる形」。下に基本的に用言がくる形ということ。「用言」とは「動詞・形容詞・形容動詞」。

※連用中止法…「学校に行き、友達に会う」のように、連用形で文をいったん中止し、「~そして」の意で下につなげる用法。現代でも普通にみんな使っていますね。

連体形…「体(言)に連なる形」。下に基本的に体言がくる形ということ。「体言」とは「名詞」。

 

【終止形と命令形】

終止形…終止する形。「~。」と、言い切りになる形。

命令形…命令する形。「~。」と、言い切りになる形。

※係助詞も何もない、「~。」と、言い切りになっている、だったら基本的には終止形か命令形でしょう。

 

以上、

活用表を見てみてください。「終止形」をはさんで「未然形⇔已然形」「連用形⇔連体形」が対称に置かれているのがわかりますか?デタラメに並べているわけではないのです。

それぞれ、あくまで「基本的な意味」ですから、それに該当しないケースもたくさんあります。「こんな感じ」と理解できたらよし、あまり深く悩むところではありません。

ちなみに、「活用の種類をいえ」と指示されて、「未然形」と書いてくる人がいますが、「活用の種類」と「活用形」をまちがえないように!
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【2007/04/14 16:38】 | 古文の基礎 1-20 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の九
「用言の活用」 〈動詞 8〉

では、前回の練習問題の解説と解答をしていきます。それぞれ、完全解答とします。×が三つまでならクリア、四つ以上ある人は動詞の活用をもう一度おさらいしてから次に進んでください。

 

【練習問題の解答と解説】

 

問一 次の動詞の活用をひらがな、歴史的仮名づかいで書きなさい。

居る ( ゐ ・ ゐ ・ ゐる ・ ゐる ・ ゐれ ・ ゐよ )…ワ行上一段活用

射る ( い ・ い ・ いる ・ いる ・ いれ ・ いよ )…ヤ行上一段活用

据う ( すゑ ・ すゑ ・ すう ・ すうる ・ すうれ ・ すゑよ )…ワ行下二段活用

老ゆ ( おい ・ おい ・ おゆ ・ おゆる ・ おゆれ ・ おいよ )…ヤ行上二段活用

※くれぐれも、「ゐ」「ゑ」はきちんとかけるようにしておきましょう。

 

問二 次の動詞の活用の種類をいいなさい。

死ぬ ( ナ行変格活用 )

おはす( サ行変格活用 )

恨む ( マ行上二段活用 )

経(ふ) ( ハ行下二段活用 )

寝(ぬ) ( ナ行下二段活用 )

※上一段活用・下一段活用・変格活用は動詞を見た時に、パッと活用の種類が言えるようにしておきましょう。

 

問三 次の傍線部を口語訳しなさい。

・その男、かづけたる衣をかづきて、女をゐていにけり。

かづけ ( ほうびとして与える )…助動詞「たり」は連用形接続。連用形に「e 段」がきているので下二段活用とわかる。

かづき ( ほうびとしていただく )…助詞「て」は連用形接続。連用形に「i 段」がきているので四段活用とわかる。というか、下二段に「~き」はない。

※「かづく」は本当によくでます。本文中にあったら間違いなく問いになります。

 

問四 上記の例文の「ゐていにけり」の「ゐ」「い」を漢字で書きなさい。

・ゐ → ( 率 )…「女を連れて行ったのだろう」ということで、ワ行上一段活用「率る」

・い → ( 往・去 )…「立ち去ったのだろう」ということで、ナ行変格活用「往(去)ぬ」

※この問いは、「古文のツボ」で同じような例文をだしています。「いにけり」の「に」ってナンダ?という問いでした。文法の仕上げ段階の問題ですから、ここでは解説しませんが、いずれ、早稲田大学の古文の難しさは「かな」の難しさだ、というのは、口をすっぱくして言っておきましょう。ちなみに、上記のように漢字で書かせる問題、実際に早稲田大学で出していますよ。

 

 

どうでしたか?

全問正解の人は心配なし、どんどん先に進みましょう。

四つ以上間違えた人、「動詞の活用なんて楽勝だよ」と思ってナメてはいけません。早稲田大学商学部のように、「次の語を活用させ適当にならべかえなさい」と、古文作文のような問題を出すところを受験したら、一発、アウト!!ですよ。配点が高いですからね。
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【2007/04/12 19:49】 | 古文の基礎 1-20 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の八
「用言の活用」 〈動詞 7〉

ここで確認の練習問題をやっておきましょう。×が三つまでならクリア、四つ以上まちがえたらもう一度復習しておきましょう。

 

【練習問題】

 

問一 次の動詞の活用をひらがな、歴史的仮名づかいで書きなさい。

居る (    ・    ・    ・    ・    ・    )

射る (    ・    ・    ・    ・    ・    )

据う (    ・    ・    ・    ・    ・    )

老ゆ (    ・    ・    ・    ・    ・    )

 

問二 次の動詞の活用の種類をいいなさい。

死ぬ  (         )

おはす (         )

恨む  (         )

経(ふ) (         )

寝(ぬ) (         )

 

問三 次の傍線部を口語訳しなさい。

・その男、かづけたる衣をかづきて、女をゐていにけり。

かづけ (             )

かづき (             )

 

問四 上記の例文の「ゐていにけり」の「ゐ」「い」を漢字で書きなさい。

・ゐ → (   )

・い → (   )

 

次回、【解説】および【解答】詳述。
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【2007/04/11 09:12】 | 古文の基礎 1-20 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の七
「用言の活用」 〈動詞 6〉

動詞の活用の種類の見分け方

動詞の数が限られているものは、動詞を覚えてしまいましょう。

 

上一段活用 (着る・見る・煮る・似る・射る・鋳る・居る・率る。・干る)

下一段活用 (蹴る)

サ行変格活用 (す・おはす)

カ行変格活用 (来)

ナ行変格活用 (死ぬ・往(去)ぬ)

ラ行変格活用 (あり・をり・はべり・いまそかり)

 

以上、

これらをきちんと覚えた上で!の話です。

残るは、「上二段活用」「下二段活用」「四段活用」だけ見分ければいい。他は「あり→ラ変」と、動詞を見れば活用の種類がわかるはずです。

「上二段」「下二段」「四段」の三つを見比べて、決定的に違うのは未然形です。「上二段」は「i 段」、下二段は「e 段」、四段は「a 段」、がそれぞれ未然形にきます。未然形を調べるてっとり早い方法は、未然形接続の代表選手、助動詞「ず」にくっつけてみることです。

 

「 i 」+「ず」 …上二段活用

「 e 」+「ず」 …下二段活用

「 a 」+「ず」 …四段活用

 

当然、上一段だって「 i ず」の形になります。だから、上記、最低限覚えるべき動詞を覚えた上で、のことです。

練習してみましょう。

 

例題 次の動詞の活用の種類をいいなさい。

1.書く   2.恥づ   3.寝(ぬ)

 

 

1.「書かず」→「 a ず」→四段

2.「恥ぢず」→「 i ず」→上二段

3.「寝ず」→「 e ず」→下二段

【正解】

1.カ行四段活用

2.ダ行上二段活用

3.ナ行下二段活用

 

ちなみに、「活用の種類」と指示されたら、かならず「行」を書くようにしましょう。
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【2007/04/10 15:10】 | 古文の基礎 1-20 | トラックバック(1) | コメント(2)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の六
「用言の活用」 〈動詞 5〉

「○行○段活用」のように決まったパターンで活用するものを「正格活用」と言います。それらにあてはまらないミソッカスを「変格活用」として区別します。たとえば「ラ変」、(ら・り・る・れ)四つの段を使っているので「四段活用」、といったらまずいでしょ?終止形が四段活用とは違っています。変格活用は全て動詞の数が限られていますから、覚えてしまいましょう。

 

 

サ行変格活用

   せ ・ し ・ す ・ する ・ すれ ・ せよ

 

「す」「おはす」の二語のみ。ただし、何でもかんでも「す」をつけてサ変動詞化する傾向があるので、実際には多数あり。

・「物」+「す」=「ものす(ある、いる、する)」

・「御覧」+「す」=「ご覧ず(「見る」の尊敬、ご覧になる)」

などが典型。

※ちなみに漢文は何でもかんでもサ変化する傾向があるので、漢文ではサ変動詞がたくさん出てきますね。「死ぬ」と読めばいいのに、漢文ではわざわざ「死ス」とサ変化して読みます。

 

 

カ行変格活用

   こ ・ き ・ く ・ くる ・ くれ ・ こ(こよ)

 

「来(く)」一語のみ。ただし、

・「出(い)づ」+「来」=「いでく(おこる)」

・「詣(まう)づ」+「来」=「まうでく(「来」の謙譲、参上する)」

など、他にもいくつかあり。

※命令形は「こ」「こよ」の二つの形があります。

 

 

ナ行変格活用

   な ・ に ・ ぬ ・ ぬる ・ ぬれ ・ ね

 

「死ぬ」「往・去(い)ぬ」の二語のみ。

 

 

ラ行変格活用

   ら ・ り ・ り ・ る ・ れ ・ れ

 

「あり」「をり」「はべり」「いまそかり」の四語のみ。

・「はべり(「あり」の丁寧、ございます)」

・「いまそかり(「あり」の尊敬、いらっしゃる)」

「いますがり、いますかり、いまそがり」とも言う。

ただし、

・「然(さ)」+「あり」=「さり(そうである)」

・「斯(か)く」+「あり」=「かかり(こうである)」

など、他にもいくつかあり。

※ラ変で注意するべきは、終止形(言い切り)が「i 段」であること。他の動詞はすべて「u 段」で終止するのに、ラ変のみが「i 段」で終止します。例外中の例外。終止形接続の助動詞が、ラ変だけには連体形に接続する理由はここにあります。詳しくは助動詞で説明しましょう。
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【2007/04/09 17:47】 | 古文の基礎 1-20 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の五
「用言の活用」 〈動詞 4〉

 

四段活用

a  i  u  u  e  e

 

「a段i段u段e段」、四つの段で活用するので「四段活用」。四つの段で活用する動詞は他にもあるが、それらは「変格活用」として区別する。四段活用の動詞は多数あり。

 

「四段」「下二段」二つの活用をもつ動詞

 

たのむ

・四段(ま・み・む・む・め・め)…頼みにする・あてにする

・下二段(め・め・む・むる・むれ・めよ)…頼みに思わせる・あてにさせる

※下二段に活用して、意味、主語を問います。

 

★★★★★かづく

・四段(か・き・く・く・け・け)…かぶる・ほうびとしていただく

・下二段(け・け・く・くる・くれ・けよ)…かぶせる・ほうびとして与える

※ほうびとしてやりとりされるのは衣服です。「和歌を詠め→巧みに和歌を詠む→すばらしい!→かづく(四段・下二段)」といった文脈で頻出します。(「古文のツボ」で詳述しています)口語訳、人物関係など、ほぼまちがいなく問われます。動詞の中では最重要。

 

★★★★★給ふ

・四段(は・ひ・ふ・ふ・へ・へ)…尊敬の動詞、または補助動詞

・下二段(へ・へ・○・ふる・ふれ・○)…謙譲の補助動詞

※敬語の中では、というか、文法全体の中で最重要。「敬語」の講義で詳述します。

 

「四段」「下二段」二つの活用を持つ動詞は、他にもたくさんあります。一般に、

・四段…自動詞(他に作用を及ぼさない。自分だけにかかわる動詞)

・下二段…他動詞(他に作用を及ぼす。目的語(「~を」など)をとる)。

という傾向があります(絶対に、ではありません)。「立つ」などが典型です。

 

「立つ」

・四段(た・ち・つ・つ・て・て)…(自分が)立つ

・下二段(て・て・つ・つる・つれ・てよ)…(他者を)立たせる

 

やはり、下二段に活用して、主語が問われます。実は、主語問題、口語訳の問題によくなっています。一見、四段動詞にみえるもの、下二段に活用していないかよく注意してください。
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【2007/04/08 16:32】 | 古文の基礎 1-20 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の四
「用言の活用」 〈動詞 3〉

 

上二段活用

i  i  u  uる  uれ  iよ

 

「i段u段」、二段で活用するので「二段活用」。二段活用は二つあるので、区別が必要。上にある二段活用なので、「上二段活用」。動詞の数は多数あり。

 

行に注意するもの。

「老ゆ」「悔ゆ」「報ゆ」(い・い・ゆ・ゆる・ゆれ・いよ)

 

活用に注意する動詞。

★「恨(うら)む」(み・み・む・むる・むれ・みよ)※四段活用ではありません。「恨みず」「恨むる人」のように使われます。けっこう、入試で問われる動詞です。

 


下二段活用

e  e  u  uる  uれ  eよ

 

「u段e段」、二段で活用するので「二段活用」。二段活用は二つあるので、区別が必要。下にある二段活用なので、「下二段活用」。動詞の数は多数あり。

 

行に注意するもの。


「植う」「飢(う)う」「据(す)う」(ゑ・ゑ・う・うる・うれ・ゑよ)

例題 次の空欄に適当な文字を歴史的仮名づかいで補いなさい。

・木を植(  )て、 → 正解【 ゑ 】

のような問になるので、ワ行はくれぐれもきちんと書けるようにしておきましょう。


「絶ゆ」ヤ行下二段活用(え・え・ゆ・ゆる・ゆれ・えよ)…とだえる、死ぬ。

 「耐・堪(た)ふ」ハ行下二段活用(へ・へ・ふ・ふる・ふれ・へよ)…こらえる、能力がある。

例題 次の空欄に適当な文字を歴史的仮名づかいで補いなさい。

・さびしさにた(  )ずして、涙流しにけり。

     → 寂しさにこらえきれないから涙を流している。 → 正解【 へ 】

どうです?早稲田大学の古文の難しさは「かな」だ、と言いましたね。シンプルだけど難しい。上記のような問題、文脈をもっと難しくすれば早稲田大学レベルの問題になります。結局、文脈が読めていて、単語の意味も理解し、なおかつ動詞の活用もきちんとおさえていないと解答できません。ハードルが二重、三重に設定されてきます。動詞の活用だからといって、ナメてはいけません。
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【2007/04/06 14:33】 | 古文の基礎 1-20 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の三
「用言の活用」 〈動詞 2〉

「動詞の活用の種類」を具体的にみていきましょう。

 

上一段活用

i  i  i る  i る  i れ  i よ

 

「i 段」、一段のみで活用するので「一段活用」。一段活用は二つあるので、区別が必要。上にある一段活用なので、「上一段活用」。動詞の数は限られているので覚えてしまいましょう。

 

着る ・ 似る ・ 煮る ・ 干(ひ)る ・ 見る ・

射(い)る ・ 鋳(い)る ・ 居(ゐ)る ・ 率(ゐ)る

 

「きみにいゐひ」とか、「ひいきにみゐ」る、とか、覚え方はいろいろ言われていますが、必ず漢字で覚えるようにしましょう。たとえば、「きる」は「切る」なら四段活用になります。

行に注意するもの。

 

ヤ行上一段活用…「射る」「鋳る(金属をとかして鋳型(いがた)に流して器物をつくる)」

ワ行上一段活用…「居る(座る、存在する)」「率る(連れる、ともなう)」

 

「いる」なのに、なぜ「ヤ行」か?もともとの中国音が「ya yi yu ye yo」の「yi」だったのでしょうね。文字がないからしょうがなく「い」と書いているだけです。「鋳る」などはめったに出てこないでしょうから、「射る」ぐらいおさえておきましょう。

「ワ行」は上一段活用に限らず出ます。早稲田大学が好むネタですよ。早稲田大学の古文の難しさは「かな」だと、ずいぶん前に「古文のツボ」で展開してきました。

 

★ ワ行上一段活用 … 「居る」「率る」

 

他に「率(ひき)ゐる」「用ゐる」もあります。「ゐ」をきちんと書けるようにしておきましょう。

 

 

下一段活用

e  e  e る  e る  e れ  e よ

 

「e段」、一段のみで活用するので「一段活用」。一段活用は二つあるので、区別が必要。下にある一段活用なので、「下一段活用」。動詞は「蹴(け)る」一語のみなので覚えてしまいましょう。

「け・け・ける・ける・けれ・けよ」と活用します。

「サッカーボールをたり」

のように用いられます。
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【2007/04/05 17:05】 | 古文の基礎 1-20 | トラックバック(0) | コメント(1)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の二
「用言の活用」 〈動詞 1〉

用言とは「活用のある自立語」、自立語とは単独で意味をもつ語。

用言とは、つまり、「動詞」「形容詞」「形容動詞」をさします。

「んなの、高一でやった…」といってナメないように。すべてきちんと活用がいえるならよし、そうでなかったら、ここできちんと習得していきましょう。

用言の活用は、文法のいちばんベースになっていく部分です。用言の活用がきちんと言えない人は、ほぼまちがいなく助動詞の活用も言えないはずです。

反対、用言の活用がきちんと言える人は、助動詞の活用などあっという間におさえてしまいます。助動詞のほとんどが用言(動詞・形容詞・形容動詞)のパターンで活用しています。助動詞だから特別に活用を覚えなければならないのは、

 

「き」「まし」「ず」

 

のみ。「まし」は活用をきいてもしょうがない、意味を問います。ということは、助動詞だから活用を覚えなければ、というのは「き」「ず」の二つだけなのです。

 

〈動詞とは?〉

動詞とは「動作、存在を表現し、必ずウ段で言い切る語」です。この「ウ段で言い切る」と言うのがのちのちミソですから、ここでよくおさえておくように!現在でも同じ。何か動詞を思い浮かべてください。必ずウ段で終止しているはずです。

 

〈行と段〉

         だざ…たなさかあ  ← a   ↓

                          i   

                          u

                          e

                          o


ヨコの並びが「段」、タテの並びが「行」。「i 段」といったら「いきしちに…」、「o 段」といったら「おこそとの…」。「ナ行」といったら「なにぬねの」、「ダ行」といったら「だぢづでど」。これらを組み合わせて、


○行○段活用

○行変格活用


と、「動詞の活用の種類」が構成されていきます。


「行」については「ア行」と「ヤ行」と「ワ行」に注意してください。

 

ア行…あいうえお

ヤ行…やいゆえよ

ワ行…わゐうゑを

 

特にも「」「」はきちんと書けるようにしてください。

難関大学といわれる早稲田大学など、実は大好きなツッコミどころです。
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【2007/04/04 21:59】 | 古文の基礎 1-20 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の一
〈はじめに〉

四月、心機一転、古文の講義に入ります。

ここで講義していくのは、「学校文法」(学校の授業でやるような文法)ではありません。実践文法です。「何がどう出るのか」を集中的に講義していきます。

「古典文法が苦手」という人は、助動詞の一覧表を丸暗記するような、メリハリのない学習をしていたりするものです。そして、重箱のスミをほじくってドツボにはまったりして…。

古典文法習得の秘訣は

 

「出るやつを徹底的にやる」

「こまかいやつは後まわし」

 

です。1,000ピースぐらいのジグソーパズルがあるとしましょう。全体の絵をおおざっぱに思い浮かべながらつながるやつから手っ取り早くつなげていく、全体の絵がボンヤリ浮かんできたら、残りのピースは簡単に埋められます。それなのに、右スミからカンペキに…、なんてやりはじめたら、いつまでたっても終わりません。

というわけで、重要度を★マークで明示していきます。

 

…ちょっと重要、たまに設問になる程度。

★★

★★★…重要、実戦でかなり使えるもの。

★★★★

★★★★★…最重要、大学入試でほぼまちがいなく問題になるもの、出ると配点が高いもの、点差をひろげるポイントとなるもの。

 

手持ちの参考書、文法書、テキストなどでよいので、★マークをつけながら確認していってください。もし、そこに書いていなければ、書き込んでいってください。最終的にはオリジナルの参考書になっているはずです。
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【2007/04/03 15:01】 | 古文の基礎 1-20 | トラックバック(1) | コメント(0)
大学入試 国語・小論文に関するQ&A 其の十八
〈良きライバル〉

Q.勉強しているのに成績がのびません。

 

A.のびる生徒は他人の実力を認め、参考にするものです。のびない生徒は自分よりデキない生徒をいつもわらうものです。さて、あなたはどちらでしょう?

自己目的化した勉強、自己満足で終わってしまう勉強をふせぐためには、良きライバルを持つことだ、と以前のべました。自分の勉強にいきづまりを感じたら、ライバルの勉強を参考にしてみましょう。

自分よりデキる人を常にマークしてください。仲のよい友達だったら言うことなし、たとえ気の合わない人であっても、つきあいはつきあい、勉強は勉強とわりきって、参考にすべき点はどんどん取り入れましょう。

 

良きライバルは最良の師

 

長嶋・王、両選手を引き合いに出すまでもなく、一流選手には良きライバルがいるでしょう?

料理人の世界(シロートですよ)では、「味は教わるものではない、盗むものだ」などとよく言われます。つまり、知識や技術は「与えられる」、受動的な習得ではモノにならない、「獲得する」、能動的に習得してこそ使いものになるのだ、ということを意味しているのではないでしょうか?

「アイツと同じ大学に行きたい」

「アイツにだけは負けたくない」

「アイツに何とかして追いつきたい」

もし、そのような「アイツ」がいるとしたら、とてもラッキーですね。
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【2007/04/02 16:38】 | よくある質問 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 国語・小論文に関するQ&A 其の十七
〈言い訳〉

Q.勉強しているのに成績がのびません。

 

A.自分に言い訳していませんか?

失敗すると、悔しい。一所懸命やったのに失敗すると、さらに悔しい。

「チクショー」(あまりいい言葉ではありませんが…)と思う、その「チクショー」が次のエネルギーになっていきます。せっかくゼンマイのネジをまいてエネルギーをためる、モチベーションを高めるチャンスなのに、そこで言い訳をすると「チクショー」パワーのエネルギーが全部逃げていってしまいます。

受験勉強にかぎらず、スポーツだろうが、ビジネスだろうが、同じなのではないでしょうか。自分の専門分野はスキーですが、「転んで板のせいにするやつは、ゼッタイうまくならない」とよくいわれます。

「失敗する」、そこにはステップアップのヒントがたくさん隠れています。もし、上達、成績アップの近道が存在するとすれば、それは「失敗から学ぶ」ことではないでしょうか?失敗は恥ずかしい、みじめ、カッコ悪い、でも、そこで「失敗」ときちんと向き合って、自己検証をすれば、失敗を防ぐためにどうすればよいか、具体的に対策をたてることもできます。

ところが、失敗に目をふさいで通り過ぎたら、その原因は何も改善されていないのだから、同じ失敗を何度も繰り返します。

 

死んでも言い訳しない=ステップアップの最短距離

 

恐れるべきは失敗ではありません。失敗をごまかすことなのです。

模試は「おみくじ」ではない、中身を見よ!と、以前書きました。毎週やる小テストのようなものも同様、普段の演習も同様、「間違えた」ときの態度しだいで実力は大きく開いていきますよ。
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【2007/04/01 22:43】 | よくある質問 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 国語・小論文に関するQ&A 其の十六
〈自己目的化した勉強〉

Q.勉強しているのに成績がのびません。

 

A.「お勉強」「自己満足としての勉強」、つまり、勉強すること自体が目的化していないか検証してみてください。おちいりがちな例をあげてみましょう。

 

・綿密な計画表を作り、きちんと計画どおりに消化している。

→「今日も計画どおりにやった!」、計画を消化すること自体が目的になっている。

・受験生なんだから一日五時間勉強する。

→「あと三時間…」「あと三十分…」、五時間勉強すること自体が目的になっている。

・問題集一日十ページやる。

→「あと五ページ…」「あと一ページ…」、十ページやること自体が目的になっている。

・単語集三回やる。

→「あと二回…」「あと一回…」、三回やること自体が目的になっている。

 

などです。このように言うと、当然、反論が聞こえてきそうです。

「計画表を作ってはいけないの?」「一日何時間て決めちゃいけないの?」「問題集何ページって区切っちゃいけないの?」「単語集やる必要ないの?」

と、そういうことを言っているわけではありません。世界は「オール オア ナッシング」で成り立っているわけではありません。

 

部分と全体の関係

 

これを常に見失わないように!ということを言っているのです。

ハンバーグ定食をたのんだとしましょう。パセリがどっさり、ハンバーグがちょっぴり、誰でも「金返せ!」って怒るでしょう?「計画表」「一日五時間」「問題集十ページ」「単語集三回」というのは、つまりは「パセリ」であり、「部分」なのです。メインディッシュ、「全体」とはなりえません。

 

将来こんな仕事がしたい→大学でこんな勉強をしたい→だから○○大学に行きたい→そのためには~の成績とらねば→だったら秋の模試で~の成績とりたい→そのためには夏に~演習せねば→そのために、今、~の勉強をする。

 

その結果として「計画表どおりにやった」「一日五時間やった」「問題集十ページやった」「単語集三回やった」は正しいでしょう。つまり、これらは「結果としてある」ものであって、「前提としてある」ものではないのです。それらによって何を身につけるのかが大切なのであって、その目的を見失ったまま、ただ時間数やページ数をこなしても何にもならないということです。大切なのは、

 

優先順位の見きわめ

 

でしたね。それが「受かるための勉強」なのです。
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【2007/04/01 13:30】 | よくある質問 | トラックバック(0) | コメント(0)
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プロフィール

谷村 長敬(たにむら ちょうけい)

Author:谷村 長敬(たにむら ちょうけい)
1965年生まれ。立教大学大学院修士課程修了。在学中、赤坂憲雄先生に師事。院生による共著に『「注文の多い料理店」考』。お茶の水ゼミナールで国語全般担当。テキスト(現代文・古文)、小テスト(年間3000点分)の作成にたずさわる。2006年、「ワークショップ フットプリンツ」創業。現代文と小論文を並行して演習する講座をはじめる。趣味はスキー。

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