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大学入試直前講座 『古文のツボ』 其の十六
「文学史3」   〈平安物語の成立順序をおさえよう〉
平安文学史をおさえるポイントは、
 
   前
   ↑
源氏と枕がちょうど一〇〇〇年
   ↓
   後
 
でしたね。
源氏の前をしっかりおさえましょう。源氏以後は「その他大勢」で十分です。
 
平安物語・『源氏物語』以前
 
〈 伝奇物語 〉
『竹取物語』(九一〇)
…源氏物語の中で「物語 出(い)で来(き)はじめの祖(おや)」と評しています。現存最古の物語。
 
〈 歌物語 〉
『伊勢物語』(九四七)
…主人公は在原業平(ありわらのなりひら)と考えられています。
『大和物語』(九五一)
『平中(へいちゅう)物語』(九六〇)
 
〈 作り物語 〉
『宇津保(うつほ)物語』(九八四)
『落窪(おちくぼ)物語』(九九〇)
…継子(ままこ)いじめのシンデレラ物語。貴族社会を写実的に描く。
 
  ↓ これらの流れを受け継いで大成
 
『源氏物語』(一〇〇八)
 筆者…紫式部(一条天皇の中宮彰子に仕える)
 内容…全五四帖からなる長編物語。『竹取物語』などの虚構性、『伊勢物語』などの歌物語性、『蜻蛉(かげろ)日記』などの自照(自己の内面を見つめること)性などの影響のもとに完成。江戸時代の国学者、本居宣長(もとおりのりなが)は『源氏物語玉の小櫛(たまのおぐし)』の中で、『源氏物語』を「もののあはれ」(しみじみとした情趣、情愛)を描いた文学として位置づけました。
 
 
平安物語・『源氏物語』以後
 
 『源氏物語』(一〇〇八)
     源氏物語のマネ
『浜松中納言(はままつちゅうなごん)物語』(一〇四五)
『堤中納言(つつみちゅうなごん)物語』(一〇五五)
『夜の寝覚(よるのねざめ)』(一〇五九)
『狭衣(さごろも)物語』(一〇六九)
『とりかへばや物語』(一一六八)
 
と、源氏以前さえしっかりおさえれば大丈夫。「○○物語」と出てきて、聞いたことない、だったら、すべて源氏以後、すなわち一〇〇〇年以後と考えればいいでしょ?
『今昔物語』とかもあるじゃないかって?
大丈夫。説話も軍記物語も源氏以後ですから。
練習してみましょうか。
 
 
練習問題
次の中から(1)源氏物語以前の作品を選びなさい。(2)源氏物語と同じころに成立した作品を選びなさい。
イ 『更科日記』
ロ 『和漢朗詠集』
ハ 『とりかへばや物語』
ニ 『讃岐典侍日記』
ホ 『蜻蛉日記』
解説 
イ、『更級日記』には源氏物語にあこがれた少女時代が描かれている、ということは、源氏以後。
ロ、『和漢朗詠集』撰者、藤原公任は、一〇〇〇年に活躍した清少納言、紫式部と同時代人でしたね。
ハ、わけわからなかったら、源氏以後と考えればよいわけです。
ニ、『枕草子』より後、ということは源氏以後。
ホ、『枕草子』より前、ということは源氏以前。
 
解答
(1)… ホ   (2)… ロ
 
と、こんな感じで源氏と枕を核にして前後関係をあぶりだしてください。
 
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【2008/01/31 23:22】 | 古文のツボ | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試直前講座 『古文のツボ』 其の十五
「文学史2」   〈平安日記の作品世界をおさえよう〉
 
  源氏と枕がちょうど一〇〇〇年、日記の成立順序をおさえたら、いよいよ作品世界をおさえましょう。作者名は必ず漢字で書けるようにしておくこと。
作品世界をおさえていると、出題されたときにメチャメチャ有利になります。『蜻蛉日記』『和泉式部日記』『讃岐典侍日記』など、圧倒的に有利になります。というか、難関大学はあらかじめ作品世界をおさえていることを前提にして出題してきますよ。
それぞれの作品で何が問われるのか、解説していきましょう。
 
 
作者・作品世界
 
『土佐日記』…紀貫之
※『古今和歌集』の中心的撰者・『古今集』の序文「仮名序(かなじょ)」執筆。
〈評価〉
最古の日記文学。もっぱら女性が用いていた、「ひらがな=女手(おんなで)」で日記を書くにあたり、女性に仮託(かたく…仮に女性の立場に身を置く)して客観的視点から自身の経験を書いていきます。自分のことなのに、他人事のように書いていきます。
〈内容〉
土佐の国司(今の県知事)の任を終え、船で都まで帰ってくる間のことを記した旅日記。土佐の国で亡くした娘をしのぶ旅でもあった。
※文学史にからめて、『古今和歌集』や「仮名序」をつっこんでもいいですね。土佐で亡くした娘をしのびつつ、和歌を詠む、という展開はおさえておいた方がよいですよ。でも、他人事のように書いていますからね。
 
『蜻蛉(かげろう)日記』…藤原道綱母(みちつなのはは)・藤原倫寧女(ともやすのむすめ)
※夫は藤原兼家(かねいえ)、姪(めい)は菅原孝標女(たかすえのむすめ)。
〈評価〉
最初の女流日記文学。ひたすら自己の内面を見つめる自照(じしょう…自己の内面を観察する)文学。
〈内容〉
夫、兼家の浮気に苦悩する女心、息子、道綱に対する母性愛がつづられる。
※必ずといっていいぐらい、人物関係が問われます。
・「浮気な人」「あてにならない人」「薄情な人」「来ない、あるいは来てもすぐ帰ってしまう人」=夫、兼家。
・「かわいい人」「見捨てておけない人」「幼い人」=息子、道綱。
 
『枕草子』…清少納言
※父は歌人で『後撰和歌集』撰者・清原元輔(もとすけ)。※一条帝の中宮・定子(ていし)に女房として出仕。
〈評価〉
最古の随筆文学。客観的・即興的・知的なおもしろさである「をかし」の文学と評される。
〈内容〉
多岐にわたります。一条帝の中宮定子のサロンでの出来事を中心に、一条帝・定子を絶大に賛美しています。学者の家系ということもあり、女だてらに(男=漢字の知識/女=かなの知識、という時代的背景があった)漢詩・漢文の知識を披露する箇所も見られます。
※清少納言を文学史でつっこむ時は、父、元輔が問われます。『後撰集』って、何番目の勅撰和歌集か言えますか?
 
『和泉式部(いづみしきぶ)日記』…和泉式部
※平安時代を代表する女流歌人。一条帝の中宮・彰子に女房として出仕。恋多き女性として有名。
〈評価〉
日記とはいうものの一人称体ではなく、三人称体で書かれているため、主語を「私は」ではなく「女は」と読んでいきます。日記というより、歌物語として読んでいった方がよいですね。
〈内容〉
恋人の為尊(ためたか)親王(兄)の死後、悲嘆にくれる女に敦道(あつみち)親王(弟)が言い寄ってくる。ゆれる女心。和歌の贈答。やがて二人は結ばれてゆく。情熱的ラブストーリー。
※超頻出。で、本文のほとんどが和歌、なんて、いかにも早稲田大学が好きそうでしょ?だから、和歌の贈答、「和歌は二つでワンセット」って読みを練習しておかないと、パニックになることまちがいなし。和歌の修辞をつっこんでもよいし、解釈を求めてもよいし、本文全体の要約をさせてもよいし、出題者の立場に立つと、ツッコミどころ満載です。だから、出る!当然、文学史を突っ込んだってよいわけです。彼女と同時代人、何人言えるかな?悩んだら前回の記事を見てください。 
『紫式部日記』…紫式部
※『源氏物語』作者。一条帝の中宮・彰子(しょうし)に女房として出仕。
〈内容〉
前半は中宮・彰子のサロンを中心に宮中の生活をつづる。後半は消息文(しょうそこぶみ)とよばれるもので、和泉式部・赤染衛門(あかぞめえもん)・清少納言など、ライバルの女房たちの人物批評を展開しています。特にも清少納言については、「女のくせに漢学の教養をひけらかす高慢な女だ」と、手厳しく批判を加えています。中宮定子⇔中宮彰子と、サロンも違うし、仲が悪かったんですね。
 
『更級日記』…菅原孝標女(たかすえのむすめ)
〈内容〉
少女時代から老境に至るまでの半生を回想してつづった自叙伝。少女時代を地方ですごし、『源氏物語』の世界にあこがれていた事などが書かれています。
・少女時代…物語世界にあこがれ、自分も将来は物語の女性たちのようになるのよ、と夢見がちなオトメ。
・成人…宮仕えに出てもつとまらない、父は出世できずに嘆いてばかり、と、一つ一つ大人社会の現実を知るたびに、少女時代の夢は破れていきます。
・晩年…一心に仏におすがりして、周りの反対をおし切って、お寺にこもったりして。
と、半生をふりかえった自叙伝です。
 
『讃岐典侍(さぬきのすけ)日記』…藤原長子(ちょうし)
〈内容〉
前半は典侍(ないしのすけ)として仕えた(実は愛人でした)堀河天皇の発病から病没するまでの看護の様子を描きます。後半は幼帝・鳥羽天皇の即位にともない再び出仕し、幼帝の世話をしながら折に触れて亡き堀河帝をしのぶという内容です。
※前半は、とにかく病気表現がつっこまれます。
後半は人物関係が問われます。帝が二人出てくるので、最高敬語だけでは簡単に判断できません。
・思い出モード…主語=堀河天皇
・現実モード…主語=鳥羽天皇
と、思い出の世界か、現実の世界か、で主語を見分けなくてはなりません。練習しておかないと難しいですよ。
 
『古今和歌集』『後撰和歌集』については以下を参照。
 
 
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【2008/01/30 16:12】 | 古文のツボ | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試直前講座 『古文のツボ』 其の十四
「文学史1」   〈平安日記の順序をおさえよう〉
 
日記・随筆(中古)
 
 成立順序をおさえよう
 
・土佐日記(九三五)     と
・蜻蛉日記(九七四)     かげ(の)
・枕草子(一〇〇一)     まくら
・和泉式部日記(一〇〇七)  いずみ(に)
・紫式部日記(一〇一〇)    むらさき(を)
・更級日記(一〇五九)      さらしな
・讃岐典侍日記(一一〇八)   さ(い)
                   ゴロ…トカゲの枕、泉に紫をさらしなさい。
 
西暦はめやす、あてにはなりません。
『枕草子』がちょうど一〇〇〇年ごろに成立した作品。『源氏物語』『枕草子』『和泉式部日記』を一〇〇〇年ごろの作品として、前後関係でおさえるのが平安文学史をおさえるポイントです。一〇世紀か一一世紀か、といった前後関係がよく問題になります。
また、千年ごろの同時代性が問題になります。
清少納言・紫式部・和泉式部の三人とも一条帝の中宮に女房としてお仕えしました。
清少納言は一条帝の中宮、定子に、
紫式部、和泉式部、赤染衛門(あかぞめえもん)は同じく一条帝の中宮、道長の娘、彰子に
お仕えしました。みんなちょうど一〇〇〇年ごろに活躍した人物です。
四条大納言と呼ばれた藤原公任(きんとう)は、『和漢朗詠集』を選んだスーパー教養人で、和歌でも漢詩でも管絃でもいちばん、「三船の才」なんて、教科書でやったのでは?この人も同時代人。しぶいところですが、よく問題になります。
 
千年ごろの同時代人
   … 清少納言・紫式部・和泉式部・藤原公任
 
とおさえたら、平安物語については、『源氏物語』との前後関係でおさえ、日記・随筆については『枕草子』との前後関係でおさえるのが最速の学習法です。びっくりするぐらい、それだけで文学史問題に対応できますよ。
 
   前
   ↑
源氏と枕がちょうど一〇〇〇年
   ↓
   後
 
平安日記はとにかくいちばん出題されますから、文学史しっかり。それと作者名を漢字で書けるようにしておきましょう。
どうせ出るってわかっているなら、こっちもあらかじめ作品世界をおさえておきましょう。ヨーイ・ドン。古文読解のスタート時点で他の受験生に差をつけちゃいましょう。
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【2008/01/29 17:36】 | 古文のツボ | トラックバック(0) | コメント(0)
『大学受験生 体調管理のツボ』 其の四
〈緊張とリラックス〉
スポーツの試合だろうが、受験だろうが、ライブ演奏だろうが、あるい生徒の前での講義だろうが、パフォーマンスには共通する鉄則があるように思います。「120:100:80の法則」とわたくしは呼んでいます。
事前の準備=120
直前の意気ごみ=100
パフォーマンス=80
しっかり準備して、実際のパフォーマンスは「抜く」感じでやると最高のパフォーマンスができます。100の準備をして、100のパフォーマンスをしようとすると緊張してしまいます。80の準備しかしていないのに、100のパフォーマンスをしようとすると、まちがいなくしくじります。
 
Dr.大野[こころの読みグスリ]
ほどほどの緊張は集中力を高める
 
 街を歩いていると、リクルートスーツに身を包んだ学生の姿が、少しずつ目に入ってくるようになってきました。みんな、ちょっと緊張した面持ちで歩いています。入試が近づいてきて、親子ともに緊張している家庭も多いと思います。
 普通だと、この程度の緊張では体に変化は現れませんが、実際に就職の面接を受けるときや試験会場で問題に取り組んでいるときには、心臓の鼓動や呼吸が速くなったり、手に汗をかいたりするなど、体に変化が出てきます。これは、ずっと昔、動物や敵と出合ったときに、筋肉に血液を送り、武器をしっかりと手でつかむための、体の自然な反応です。
 肉体を使って争う必要があまりない現代社会では、このような体の反応は必要ないのですが、長い歴史を体が記憶しているのでしょう。反射的に、そのような反応が体に現れてしまいます。
 こうした体の反応がほどほどだと問題はないのですが、反応が強く出すぎたり、それほど緊張するような場面でもないときにひどく緊張したりするようになると、やっかいです。考えがまとまらなくなりますし、場合によっては頭が真っ白になって、考えることさえできなくなります そのようになりそうになったら、以前一度書いた、胸とおなかに手をあてて、「1、2、3」とゆっくり数を数えながら、おなかに当てた手が動くようにおなかで息をする、腹式呼吸が効果的です。
 それでも難しいときには、一度ため息をつくようにして息を吐き出してみてください。それから息をゆっくりと吸い込むと、おなかで息ができるようになります。
 一部の筋肉に力を入れてから、一気にその力を抜くことで、リラックスする方法もあります。最初から力を抜こうとしても難しいことが多いので、周囲に気づかれないようにそっと力を入れて、それから力を抜くのです。
 両手を思いっきり握りしめて、そしてすっと力をぬいてもいいでしょう。腹筋にぐっと力を入れて、それから力を抜いてみることもできます。
 もっとも、ほどほどに緊張することは必要なことでもあります。あまり緊張しないと、集中力もわいてきません。リラックスには、完全に力を抜いてゆっくりすることのほかに、ほどほどに緊張して、そして十分に力を発揮することもあるということを、覚えておいてください。
   『AERA』 2008・1・28
 
プロのピンポイントのご意見です。受験生の皆さん、緊張したら実行してみましょう。
わたくしは冷たい水で顔を洗うとリラックスするような気がするのですが、それって、やはり変なのでしょうか。
「ぷぷっ・・・また顔洗ってるよ」
って、生徒によく笑われたもんでしたっけが…。
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【2008/01/26 19:20】 | 体調管理のツボ | トラックバック(1) | コメント(0)
優秀論文の紹介 其の二
〈 テーマ 「観光とは何か」 〉   添削担当者
 昨日にひき続き、社会人入試で観光学部を受験なさる方のために書いた拙論です。
 
論文要旨
【問題点】観光とは何か。
【論証】 「土地」は与えられるものだが、その「場所性」は人が作り出していくもの。
【結論】 観光とは人が作り出していくものだ。
 
立論メモ
【導入】
産業の資源としての観光。
【問題点】
観光とは何か。
【論証】
観光地=名所旧跡
しかし
どんなに素晴らしい土地でも、イヤな思い出しか残らない土地には二度と訪れない。
単なる「土地」に「場所性」を与えていくのは人の力である。
具体例…日本人の「おもてなしの心」
【結論】
観光産業は人づくりから始まる。
 

論文例
 アメリカの経済の衰退、その一方で中国、インドなど、新興国の台頭といった世界経済の状況で、資源に乏しい日本は観光に力を入れ始めている。ひととおり経済成長を経験してきた日本は、道路や航空、鉄道網といった、観光産業に必要なインフラ整備は整っている。その上で観光立国を目指す日本は今、何をなすべきなのか。あらためて、日本における観光のあり方について考察してみたい。
 日本で観光地というと、奈良、京都に代表されるような名所旧跡や日光のような景勝地を思い浮かべがちである。その点では、歴史を重ねた建造物や仏像、あるいは素晴らしい自然など、日本は全国いたるところ観光資源に恵まれている。
 しかし、それらは所詮、すでに与えられている「土地」の力でしかない。「土地」そのものが持つ魅力であって、それにあぐらをかいているようでは、産業としての観光はいずれさびれてしまうだろう。世界的な観光地であるエジプトのピラミッドだろうが、イタリアのヴェニスであろうが、どんなに素晴らしい土地であっても、だまされたり、冷遇されたり、嫌な思いをした土地を、我々は二度と訪れることはないだろう。反対に、何の観光資源もない日本の田舎であっても、素朴な人情にふれ、人の温かみを実感したりすると、また訪れてみたくなるものだ。
このように考えてみると、観光地というのは、単に「土地」の力によって成り立っているものと考えてはなるまい。そこに魅力を与えているのは、人によって作り出された「場所性」である。その点、日本は「茶の湯」に代表されるように、「主人」が「客」を迎える「もてなしの心」という精神文化が息づいている。わざわざ来訪してくれた「客」に幸せになっていただく。それによって、もてなした「主人」も幸せになる、すぐれたコミュニケーションの精神文化である。
 つまるところ、観光とは人が作り出す「場所性」にある。名所旧跡とはいっても、「土地」の歴史や景勝地に限って考えるならば、隣の中国にすらかなわない。日本が本当に観光立国を目指すなら、「客」を迎える「もてなしの心」といった精神文化をこそ世界に発信していくべきである。今年行われる洞爺湖サミットは、とりあえずその試金石になるのではないだろうか。
   (約 1000字)
と、ここで参考にしてほしいのは、
・「否定/肯定」表現による強調
という表現です。自分が強調したい意見を何度もくりかえしたくなる気持ちは誰にでもあります。でも、
「自分の意見はBだ、Bだ、Bなんだ」
とくりかえすだけ説得力は弱まってしまいます。独断的な、ダダッコみたいな意見論述になってしまいます。
 そこで、他の意見「A」もふまえた上で、
「自分の意見はAではなくて、Bなのだ」
としてやると、独断性をさけ、客観性、普遍性をそなえた意見論述ができます。で、自分の意見「B」を強調していきます。
・「AではなくてB」
   =「B」を強調。
    「A⇔B」のように「A」「B」は対立項となる。
現代文の虫食い問題のネタにもよくなるところです。
 
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【2008/01/25 00:36】 | 優秀論文の紹介 | トラックバック(0) | コメント(0)
優秀論文の紹介 其の一
〈 テーマ 「観光とは何か」 〉      添削担当者
 
 社会人入試で観光学部を受験なさる方のために書いた拙論です。「優秀論文の紹介」に自分の小論をあげるのもどうかと思われますが、だいたいの大学の小論文試験なら合格ライン、といったところを書いてみました。ただし、国立後期で一発勝負をねらうなら、もう一ヒネリほしいところです。
 
論文要旨
 
【問題点】観光とは何か。
【論証】 旅は日常をふりかえる、日常の自分を省みる機会である。
【結論】 観光とは自己発見の旅である。
 
 
立論メモ
 
【導入】
観光立国を目指す日本。
【問題点】
観光とは何か。
【論証】
東京ディズニーランド…夢の国・楽しい時間、空間。
しかし
それは、日常生活のテレビの延長。
ハリウッド映画を観るのと変わらない。
本当の旅は日常との決別にある。
非日常に身を置くことで日常の自分を振り返ることができる。
日常、気がつかなかった自分の姿が見えてくる。
【結論】
要するに、観光とは自己発見である。
 
 
 
論文例
 
 日本は今後、少子高齢化社会をむかえ、労働力となる人口が減少していくと考えられている。そのような状況で、政府は観光立国としての日本を目指すと高らかに宣言した。「場所」としての観光地なら、世界中にたくさんあるだろう。その中で観光で身を立てていくためには「場所」がすでに持っている価値に寄りかかってばかりはいられないだろう。そこには観光を支えるしっかりした理念が必要である。そこで私は観光とは何か、あらためてここで問い直してみたい。
 日本で観光というと、余暇を楽しく過ごすためのもの、といった受けとめ方が主流であろう。その典型が東京ディズニーランドに代表されるアミューズメントパークである。そこは夢の国、非日常の世界として大金を投じて緻密に作られている。訪れた客は、日常を離れ、楽しいひと時をそこで過ごしてまた日常生活に帰ってゆく。
 しかし、よくよく冷静に観察すれば、大金を投じて娯楽を提供する、といった仕組みはハリウッド映画と何も変わらないことに気づく。日常を離れ「楽しいひと時」を過ごすならば、何もディズニーランドまで足を運ぶ必要はない。近場の映画館に行けばすむし、さらに言えば家でテレビやビデオを観ればすむ話である。
 つまり、ディズニーランドに非日常など存在しない。日常、テレビを観て「楽しいひと時」を過ごす、その延長に過ぎない。非日常などではなく、むしろ肥大化した日常がそこにあるばかりである。いくら施設に大金を投じようが、派手な宣伝をしようが、結局そこにあるのは巨大な日常、そのようなものは本来の旅のあり方ではない。
 私が考える本当の旅は、すでに知り尽くした空間、時間の流れからその身を切り離すことである。日常を離れ、非日常に身を置くことで見えてくるものは、日常、あまりにあたりまえすぎて見えなかった自分自身の姿である。自分の卑小さに気づかされるかもしれない、他者に支えられていた自分に気づかされるかもしれない。いずれにせよそこには新たな自己認識があるはずである。日常、自明とされていた認識の転換があるはずである。
 要するに、「観光とは自己発見の旅である」と定義できる。非日常に身を置き、日常の認識を転換し、そしてあらためて日常に帰ってゆく。そこに待っているのは、新たに活性化された日常である。
    (約1000字)
 
 とか言いながら、わたくし、東京ディズニーランドに行ったことがありません。オハズカシながら。
 それはさておき、受験生の皆さんに参考にしてほしいのは、次の二点です。
 
・指示語で前後をつないでゆく。
・接続関係(接続詞、副詞)の明示。
 一文を長くしない。特に修飾句を長くしない。特にも特にも連体修飾を長くしない。短文でブツ切れにならないためには、指示語で前後をつなげていく。と、スムーズな文章の「流れ」が生まれます。
 接続関係を明示する。論理(ロジック)を作り出していくのは、接続関係です。接続が曖昧だということは、論理そのものが破綻(はたん)している証拠です。読む人を困らせるだけの文章になってしまいます。
 
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【2008/01/23 19:44】 | 優秀論文の紹介 | トラックバック(0) | コメント(0)
現代文・小論文のネタ 其の十二
〈地球温暖化〉
わたくし、食べ物を残す、ということがひどくキライです。食べ物は死んでも残さない。なぜなら、わたくしが農家の生まれだからです。また、それ以上に、日常、平気で残せるほど食べ物が手に入るのはなぜか、それはどこかで飢えに苦しんでいる人がいるからに他なりません。
だから、宴会の席上、もうお開きになろうかというころになって、最後まで残って鳥のカラ揚げ喰っているヤツがいる。
「タニムラさんて、よっぽどトリカラすきなのね~」
って、ちがうっつーの!
 
京都大学教授  中西寛 先生
 
   世界多極化見据え
     脱工業社会のモデル示せ
【論旨】
 米国の政治・軍事的パワーに陰りが見え、世界の多極構造が進むとともに、先進国の脱工業文明の流れが一段と本格化する。日本は人口、領土、経済規模などで劣るものの、国際的に鍵になる役割をはたす「中軸国家」を目指し、環境をテコに新しいモデルを世界に提示すべきだ。
【本文】
(前略)このように考えれば、ポスト京都議定書の議論が本格化する今年、日本がアジアの地でG8サミット(主要国首脳会議)を主催することの意義は明らかである。二十一世紀の世界において日本はこれまでのような経済大国ではあり得ないし、その事実を受けとめねばならない。その上で、米中印ロや大陸ヨーロッパといった人口、領土、経済規模などで主要なパワーに対して、日本は東南アジア諸国連合(ASEAN)や英国、オーストラリアなどとともに中級だが国際的に鍵となる役割を果たす中軸国家(pivotal state)を目指すべきである。しかしそのためには少なくとも二つの条件が必要であろう。
 一つは、日本自身が脱工業文明のモデルとなるような生活様式を作り出すことである。その点では産業分野におけるよりも、人々の生活スタイルの変化がより大きな課題となる。
 もう一つの、そしてより困難な課題は、日本人が世界的、大局的視野をもち、政治や外交に人材や資源に関して他国よりも多少大きな比率で投資をすることである。「ねじれ国会」の経験からこの方向へとコンセンサスがつくられれば、日本の未来が開けてこよう。
『日本経済新聞』 2008・1・9(水) 「経済教室」
 
去年はお神輿かつぎにあちらこちらの共同体にお邪魔したものですが、ひととおりかつぎ終わると「なおらい」というものがあります。「打ち上げ」ですね。下町は「長尻(ながっちり)」を嫌いますから、すぐ座を立ちます。と、容器が用意してあって、出されたご馳走は「お持ち帰り」と、スムーズに食べ物が片づいていきます。とてもエレガントな知恵だと思いますね。
中西先生のおっしゃる「脱工業文明のモデルとなるような生活様式」って、実はわたくしたちの身近な共同体をよくよく観察してみれば、あちらこちらに埋もれているように思います。
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【2008/01/09 19:17】 | 現代文・小論文のネタ | トラックバック(0) | コメント(0)
しり上がり通信 其の十三
〈合格祈願〉
新年明けましておめでとうございます。
今年がみなさまにとってハッピーな年になりますように。
特にも受験生のみなさまに幸せが訪れますよう、日曜日、亀戸天神に合格祈願に行ってまいりました。
亀戸天神は霊験あらたかな神、今までにも数多くの教え子たちを合格に導いてくださいました。
帰りに境内の露天で熱燗とおでんをいただき、とりあえずわたくしが幸せになって帰ってまいりました。
 

亀戸天神2008初詣
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【2008/01/07 23:31】 | しり上がり通信 | トラックバック(0) | コメント(0)
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現代文と小論文の同時並行演習
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プロフィール

谷村 長敬(たにむら ちょうけい)

Author:谷村 長敬(たにむら ちょうけい)
1965年生まれ。立教大学大学院修士課程修了。在学中、赤坂憲雄先生に師事。院生による共著に『「注文の多い料理店」考』。お茶の水ゼミナールで国語全般担当。テキスト(現代文・古文)、小テスト(年間3000点分)の作成にたずさわる。2006年、「ワークショップ フットプリンツ」創業。現代文と小論文を並行して演習する講座をはじめる。趣味はスキー。

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