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大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の四十八
「助動詞」 〈ず・じ〉

今回はさもない助動詞ですから、助動詞の活用表をかたわらにおいて、おせんべでもかじりながら読んでください。

【「ず」】

意味は打消、「~ない」と訳すだけ、な~んにも難しいことはないですね。「ず」は活用が問題になる助動詞、活用をしっかり言えるようにしてください。

完了・強意の「ぬ」との識別が問われますが、助動詞「ぬ」は連用形接続ですから、接続が決定的にちがいます。

ただし、未然・連用同形の動詞、上一段・下一段・上二段・下二段は接続をみてもわかりませんから、さらにその下から判断してください。

 

例 過ぎ

例 過ぎぬる

 

ガ行上二段活用動詞「過ぐ」、未然形と連用形は同じ形ですから、上を見ても判断できませんね。だったら下を見る。「時」と体言(名詞)がきてますから、連体形がくるはずですね。連体形に「ぬ」がくるのは打消「ず」、連体形に「ぬる」がくるのは完了「ぬ」、ね、難しくないでしょ?

難しくないといっても、死んでも両者を取り違えることは読解をする上では許されません。ある動詞に「ぬ」「ね」などがくっついて「やった」と読むのか、「やらない」と読むのか、文脈は180度反転してしまいます。たかだかひらがな一字二字で、文脈を読み違えてしまいますからね。アブナイ、アブナイ…。

それと、打消「ず」の「ざり系列」と言われる「ざら・ざり・○・ざる・ざれ・ざれ」はもともと「ず+あり」からできていますから、ラ変型活用語ですからね。先々、撥音便のところで問題になりますから、しっかりおさえておいてください。

 

【じ】

「じ」は推量・意志の助動詞「む」の正反対。

 

む=推量(~だろう)・意志(~しよう)

   ↑

   ↓

じ=打消推量(~ないだろう)・打消意志(~しないつもりだ・~するまい)

 

活用はないし、楽勝!

注意するべきは、呼応(陳述)の副詞「よも」との呼応です。

よも(副詞)~(打消推量) = まさか~ないだろう

副詞の虫食い問題の王様です。呼応(陳述)の副詞は打消と呼応するものが多いでしょ?

・え(副詞)~打消 = 不可能 ~できない

・さらに~打消 = まったく~ない

・をさをさ~打消 = 少しも・めったに~ない

とやっているものだから、「よも~打消」とやりがちです。虫食い問題の典型的なひっかけパターンです。「よも」は打消推量「じ」としか呼応しません。

ちなみに、青山学院大学、学習院大学など、大好きなところですよ。

呼応の副詞についてはいずれまとめましょう。
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プロフィール

谷村 長敬(たにむら ちょうけい)

Author:谷村 長敬(たにむら ちょうけい)
1965年生まれ。立教大学大学院修士課程修了。在学中、赤坂憲雄先生に師事。院生による共著に『「注文の多い料理店」考』。お茶の水ゼミナールで国語全般担当。テキスト(現代文・古文)、小テスト(年間3000点分)の作成にたずさわる。2006年、「ワークショップ フットプリンツ」創業。現代文と小論文を並行して演習する講座をはじめる。趣味はスキー。

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