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大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の五十一
「助動詞」 〈むず〉

助動詞「むず」は「む」とまったく同じ。「むず」だからといって特別な意味はありません。「む」に格助詞「と」、サ変動詞「す」をくっつけて、「むとす」と表現していたものが「むず」になりました。だから、「サ変型」に活用するわけです。

  ・「む」+「と(格助詞)」+「す(サ変動詞)」→「むとす」→「むず」=「む」(推量・意志)

です。

「むず」はどこまでいっても「む」と同じ、意味で悩む必要はありません。

た・だ・し、実戦ではメチャメチャ出ます。★マークは付いていませんが、マジで出ます。「そんなの、楽勝!」

と受験生が思っているところに落とし穴があるんですな。

「むず」は、常に品詞分解が問題になる助動詞です。練習してみましょうか?

 

練習1 次の傍線部の文法的説明として正しいものを選べ。

・事ぞいできなむずる

 イ、助動詞「ぬ」+助動詞「む」+助動詞「ず」+助動詞「る」

 ロ、助動詞「ぬ」+助動詞「むず」+助動詞「り」

 ハ、助動詞「ぬ」+助動詞「むず」+助動詞「る」

 ニ、助動詞「ぬ」+助動詞「むず」

 ホ、助動詞「ぬ」+助動詞「む」+助動詞「ず」+助動詞「り」

 

あるいは次のような口語訳の問題にしてもいいですね。

 

練習2 次の文の口語訳として適切なものを選べ。

・事ぞいできなむずる。

 イ、事件がきっとおこるだろう。

 ロ、事件などおきるはずがない。

 ハ、事件が自然におこるだろう。

 ニ、事件は起きてしまっただろう。

 ホ、事件は結局おこらなかった。

 

 

解答

練習1、「ニ」

できましたか?

係助詞「ぞ」を受けて「むず」連体形「むずる」でした。

練習2、「イ」

できましたか?

強意の助動詞「ぬ」未然形「な」+助動詞「むず」連体形「むずる」でした。結局、「連用形+なむ」と同じ、助動詞「べし」と同じはたらきをするのでしたね(前回参照)。ここでは「強い推量(きっと~だろう)」です。

わかりましたか?このように助動詞「ず」「る」「り」とひっかけるのです。わかっちゃいるけど、ひっかかる、っていうやつですね。傍線を長めに引く、あるいはまったくひかないで出すのが作題のミソなんですね。

助動詞の接続、活用を覚えてから意味に入るように、と言った理由がわかりますね?接続・活用があやふやじゃ、あっさりひっかけられますよ!

まあ、「むず」は、ドンピシャ!答えが出てくるような「大ネタ」ではありませんが、選択肢を消す「小ネタ」としてよく使えますよ。だいたい五者択一が二択になります。口語訳問題、傍線部に「むず」「むずる」「むずれ」とあったら、必ず助動詞「むず」で選択肢を洗ってくださいね。
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【2007/05/26 14:26】 | 古文の基礎 41-60 | トラックバック(1) | コメント(0)
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プロフィール

谷村 長敬(たにむら ちょうけい)

Author:谷村 長敬(たにむら ちょうけい)
1965年生まれ。立教大学大学院修士課程修了。在学中、赤坂憲雄先生に師事。院生による共著に『「注文の多い料理店」考』。お茶の水ゼミナールで国語全般担当。テキスト(現代文・古文)、小テスト(年間3000点分)の作成にたずさわる。2006年、「ワークショップ フットプリンツ」創業。現代文と小論文を並行して演習する講座をはじめる。趣味はスキー。

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