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大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の五十八
「助動詞」 〈む・らむ・けむ〉

助動詞「む」「らむ」「けむ」はセットにしておさえましょう。基本は簡単です。

次回、展開していきますが、「らむ」は本当に難しい助動詞です。原因推量がからむとメチャメチャ難しくなります。文法全体の中で一番難しいでしょう。ちなみに、今年のセンター試験で問題になっていましたが、おそらく気がついた人はごく少数でしょう。

だから、基本だけはしっかりおさえておきましょう。

 

【助動詞「む」「らむ」「けむ」の違い】

活用は「む」とまったく同じ。「らむ」は「ら」をくっつけるだけ。「けむ」は「け」をくっつけるだけ。

意味は、基本的には時制が違うだけです。「む」は未来推量、一般的な推量、「らむ」は今現在の推量、「けむ」は過去の推量。

  ・む  …推量(~だろう)

  ・らむ …現在推量(今ごろ~しているだろう)

  ・けむ …過去推量(~しただろう)

です。簡単でしょ?

婉曲の用法も同じです。婉曲は遠まわしに言う表現ですが、訳さなければ訳さなくてもいいヤツですので、どうでもいいと思います。

  ・む(連体形)+名詞 … 婉曲・仮定(~ような・~としたら、その~)

  ・らむ(連体形)+名詞 … 現在の婉曲・伝聞(~ているような・~ているという)

  ・けむ(連体形)+名詞 … 過去の婉曲・伝聞(~たという)

名詞はよく省略されたりしますが、悩む必要はまったくありませんよ。

 

例 この獅子(しし)の立ちやう、いとめづらし。深き故(ゆゑ)あら

  (この獅子の立ち方はとても珍しい。深いわけがあるのだろう。)

※ラ変動詞「あり」未然形「あら」に接続し、推量。

例 憶良(おくら)らは今はまからむ 子泣くらむ

  (わたくし、憶良はもう退出いたしましょう。今ごろ家では子供が泣いているだろう。)

※四段動詞「泣く」終止形に接続し、現在推量。ちなみに、「まからむ」は四段動詞「まかる」未然形「まから」に意志の「む」が接続したもの。接続をよく見ましょう。「まか」という終止形はありえません。

例 前(さき)の世にも御ちぎりや深かりけむ

  (前世でもご因縁が深かったのだろうか、)

※形容詞「深し」補助活用連用形「深かり」に接続し、過去推量。


 
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【2007/06/03 19:03】 | 古文の基礎 41-60 | トラックバック(0) | コメント(0)
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プロフィール

谷村 長敬(たにむら ちょうけい)

Author:谷村 長敬(たにむら ちょうけい)
1965年生まれ。立教大学大学院修士課程修了。在学中、赤坂憲雄先生に師事。院生による共著に『「注文の多い料理店」考』。お茶の水ゼミナールで国語全般担当。テキスト(現代文・古文)、小テスト(年間3000点分)の作成にたずさわる。2006年、「ワークショップ フットプリンツ」創業。現代文と小論文を並行して演習する講座をはじめる。趣味はスキー。

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