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大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の六十四
「助動詞」 〈断定「なり」 2〉

【断定「なり」の連用形「に」】★★★★★

 

・体言・連体形+(断定「なり」連用形)+あり(補助動詞)

~である …断定

 

・   〃    〃          +侍り・候ふ(丁寧の補助動詞)

~でございます …断定の丁寧表現

 

・   〃   〃           +おはす・おはします(尊敬補助動詞)

~でいらっしゃる …断定の尊敬表現

 

でしたね。でも、カタチで判断してはいけません。必ず訳してみて「~である」と断定を確認すること。カタチが同じでも以下のような場合があるからです。

 

※「にあり」の形でも、存在を表していたら、「に」は格助詞、「あり」は普通の動詞。

例 ペンは机の上にあり

 

※「に侍り(候ふ)」の形でも、存在を表していたら、「に」は格助詞、「侍り・候ふ」は本動詞・「あり」の丁寧「あります・ございます」。

例 テキストは机の上に侍り

 

※「に侍り(候ふ)」の形でも、「貴人の前に~・貴所に~」という文脈だったら、「に」は格助詞、「侍り・候ふ」は本動詞・「仕ふ」謙譲「お仕え申し上げる・ひかえる」。                        

例 清少納言は中宮定子様にさぶらふ女房なり。

 

※「におはす(おはします)」の形でも、存在を表していたら、「に」は格助詞「おはす・おはします」は本動詞・「あり」尊敬「いらっしゃる」。

例 校長先生は校長室におはします

 

以上、説明がこまかくなりましたが、出るヤツは徹底的に!という編集方針でしたね。それと断定連用形「に」のもう一つのパターン、「にて」です。

 

・体言・連体形+(断定「なり」連用形)+(接続助詞)

   …~であって

 

必ず訳して、「~である。そして~」「~であって」と断定を確認するのがミソです。

例 月の都の人にて父母あり。

(わたくしは月の都の人である。そして月には父母がいる。)

(わたくしは月の都の人であって、月には父母がいる。)

 

ゼッタイにカタチで判断してはいけません。訳して断定を確認すること。

まったく同じ形ですが、体言・連体形に「にて」と接続し動詞にかかっていったら格助詞「にて」です。連体形の場合は何か体言が補えるはずです。

 

体言・連体形+にて(格助詞)→動詞

動詞に対して場所や時間、原因などを表現している。

 

例 間もなく体育館にて全校集会を行います。生徒の皆さんは~

 

なんてアナウンスが学校でもよくかかりますね。古文も現代語も同じです。「体育館」と体言に接続し、「行う」という動詞にかかっていることを確認してください。

この「動詞にかかっていくか、いないか」が格助詞と断定を判断するミソです。断定「にて」は「~である。そして~」と文がいったん完結するのに対し、格助詞「にて」は必ず動詞にかかっていくのです。

いちおう言っておきましょう。格助詞「にて」の「に」だけに傍線を引くと、受験生は面白いぐらい「断定」とひっかかるものです。「ひっかけ」の王様なんですね。

いずれにしろ、断定の連用形「に」をとるポイントは、

 

・体言・連体形+にあり …~である

・体言・連体形+にて …~である。そして、~であって

 

と、訳してみて断定を確認することです。わかりましたか?
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【2007/06/10 17:55】 | 古文の基礎 61-80 | トラックバック(1) | コメント(0)
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大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の七十六
「識別」 〈三大識別「なり」「なむ」「に」〉記事が長くてすみませんね。文法の総仕上げですから、かえって分けないほうが一覧しやすいだろうと考えました。ボクシングでいうなら最終ラウンドなんですね。ドトー
【2007/06/22 20:47】 | 添削担当者のブログ
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プロフィール

谷村 長敬(たにむら ちょうけい)

Author:谷村 長敬(たにむら ちょうけい)
1965年生まれ。立教大学大学院修士課程修了。在学中、赤坂憲雄先生に師事。院生による共著に『「注文の多い料理店」考』。お茶の水ゼミナールで国語全般担当。テキスト(現代文・古文)、小テスト(年間3000点分)の作成にたずさわる。2006年、「ワークショップ フットプリンツ」創業。現代文と小論文を並行して演習する講座をはじめる。趣味はスキー。

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