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現代文・小論文のネタ 其の七
〈共生〉
「脳は地球上に残された最後の秘境」、なんて言いかたがされたりしますが、今回はTVでもおなじみの茂木先生の言。

脳科学者 茂木健一郎(もぎ けんいちろう) 
(前半略)
 私は植物を育てるのが趣味で、時々鉢植えを買ってくる。大学生の時は、ランを育てることにはまった。胡蝶蘭(こちょうらん)などはずいぶん難しくて苦労した。最近では、もっと手軽に世話のできる鉢植えを買ってくるようにしている。
 もちろん、水をやったりというような世話はするが、できるだけ手間をかけないようにする。そのうち、もともと鉢植えの主役だった植物だけでなく、さまざまな雑草も生えてくる。いつの頃からか、それらの草を敢(あ)えて抜かずに、そのままにしておくようにした。
 すると興味深いことが起こる。どこから種がやってくるのか、次々と草が生える。鉢の中に生物多様性の小宇宙ができる。その様子を眺めているのが、実に楽しいのである。
 異なる種類の植物が、生育するための地面のスペースを求めて競い合い、やがて適当なバランスをもって共生する。そのような有り様を見ているだけで、「生態系」とは何か、素晴らしいレッスンを学ぶことができる。
 自らの思いのままにコントロールするという視点から離れてみて、初めて生態系がもつ本来の豊かさ、複雑さ、奥行きが実感できる。雑草は邪魔だから抜いてしまえという態度では、いつまで経(た)っても生態系の神髄を学ぶことができないのである。
 思うに、近代の人間は自然を制御することにかまけすぎたのであろう。農薬をまき、「害虫」を根絶やしにする。除草剤をまいて、雑草を絶つ。その結果、経済的には有用な効果を得られるかもしれないが、生物と生物が共生するということはどういうことか、その大切な叡智(えいち)が失われてしまった。
 あげくの果てに、人間の内なる「自然」まで制御しようとする。もともと、脳の働きなど思いのままになるものではない。自分や他人の無意識という、本来制御できないものをコントロールしようとするから、どうしても無理が来る。歪(ひず)みが生じる。
 私たちの脳は、有用植物だけが生え、雑草は刈り取られる管理された農園よりも、様々な雑草が繁茂し共生する荒れ地に似ている。脳の本質は内なる多様性であると肝に銘じていないと危ない。思わぬしっぺ返しを受ける。
 受験や仕事など、ある特定の目的のために様々な雑念を抑えつけることは、行きすぎれば脳の健康に悪い。多様な想念が共生してこそ、初めて脳は強靭(きょうじん)になる。創造性も生まれる。
 雑草ガーデニングをやって、多様性のもたらす豊かさを実感してみてはどうか。これからの時代に保護されるべきは外なる自然の多様性だけではない。内なる自然も同じことである。
   『読売 ウィークリー』(2007・9・23)
「脳から始まる」#70

言いえて妙。わたくし、大学受験の現場から去ったのも、受験勉強を指導することに対する、「何かがちがう」という違和感があったからでした。その「何か」がはっきりわからないまま、時を重ねてしまいましたが、その答えは、亀戸の消防団の方たちが教えてくれたのです。
 地位や年収もバラバラ、性格や学歴も人それぞれ、でも、ひとつの目的に対した時に、まるで一個の生命体のような体系(システム)を組み上げていく。以前、『しり上がり通信』の「共同体と組合」で書いたとおりなのです。それをなんと!「その成績じゃ○○大学きびしいよね」とか、偏差値というただのワン オブ ゼムの「モノサシ」で、人と人とを切り分ける作業をしていたのです。なんたる下品!エレガントじゃないんですね。何か、とても歪(いびつ)なものを感じてしまいました。何の事はない、「受験知識」という偏狭な「知」と引き換えに、「知恵」、茂木先生のおっしゃるところの「叡智」を踏みにじるようなイデオロギーの布教に加担していたというわけです。で、

わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です
(あらゆる透明な幽霊の複合体)
風景やみんなといっしょに
せはしくせはしく明滅しながら
いかにもたしかにともりつづける
因果交流電燈の
ひとつの青い照明です
(ひかりはたもち その電燈は失はれ)
宮沢賢治 『春と修羅』 「序」の一説

なんて一節を口ずさまずにおられません。彼はまさしく、トーホグの農民の子弟たちに「叡智」を伝えようとしていたではないか。わたくし、岩手の花巻の高校に通っておりました。彼と同じ山や川を見て育ってきたはずなのです。それなのに、「風景やみんな」を切り分けてきた…。
 だから、古典文法の授業で、やたらに品詞分解をさせるような先生は、かなりきびしく批判してきました。「言葉は分解するものではない、つなぐものであるよ」と。「言葉と言葉をつなぎ、人と人とをつなぐ」、センター試験のテーマ、和歌の贈答というのは、まさしく言葉の本質を正確にうがっていますね。言葉をつなげ、人をつなげ、外なる自然と内なる自然(無意識)をつなぐ。そんな目論見から、わたくしは小論文をなりわいとしたいのです。

佃島 住吉神社大祭 宮神輿

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プロフィール

谷村 長敬(たにむら ちょうけい)

Author:谷村 長敬(たにむら ちょうけい)
1965年生まれ。立教大学大学院修士課程修了。在学中、赤坂憲雄先生に師事。院生による共著に『「注文の多い料理店」考』。お茶の水ゼミナールで国語全般担当。テキスト(現代文・古文)、小テスト(年間3000点分)の作成にたずさわる。2006年、「ワークショップ フットプリンツ」創業。現代文と小論文を並行して演習する講座をはじめる。趣味はスキー。

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