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大学入試直前講座 『古文のツボ』 其の十七
「文学史4」   〈歴史物語の成立順序をおさえよう〉
 
〈歴史物語〉
成立順序をおさえましょう。
 
(中 古)
栄花物語』(一〇二八) → 『大鏡』(一一一五) → 『今鏡』(一一七〇) →
(中 世)
→ 『水鏡』(一一九五) → 『増鏡』(一三六八)
               ゴロ … 栄花・大今水増(えーが、ダイコンみずまし)
 
※作品内で述べられている時代もほぼ成立順序と同じです。ただし『水鏡』だけは最古の内容(上代前後)をあつかっています。
・『栄花』『大鏡』、ともに藤原道長を歴史叙述の対象としている、ということは、当然、源氏と枕の後です。
 
〈主な内容〉 
『栄花物語』…仮名(かな)で書かれた最初の歴史物語。編年体(へんねんたい=歴史年表どおりの歴史叙述)で書かれています。おもに藤原道長の繁栄を賛美し、『大鏡』のような批判的側面は見られません。
『大鏡』…雲林院(うりんいん)の菩提講(ぼだいこう)に詣でた百九十歳の大宅世継(おおやけのよつぎ)と百八十歳の夏山茂樹(なつやまのしげき)が若侍を相手に昔語りをするのを、そばに居合わせた作者が聞き書きをするという形式をとっています。中国の『史記』にならい、紀伝体(きでんたい=人物中心の歴史叙述)で書かれています。藤原氏の繁栄を描きながらも、策略をめぐらすような側面にもスポットをあて、批判的・客観的に歴史をとらえています。
『今鏡』…『大鏡』にならい紀伝体で書かれています。
 
※「大今水増」、いわゆる「四鏡(しきょう)」の成立順が問われます。
・とにかく問われるのは『大鏡』です。『大鏡』を答えさせるフリネタとして「紀伝体」「聞き書き形式」がよく用いられますから、おさえておきましょう。
・『水鏡』は内容が最古、シブイところで問われます。
練習してみましょうか。
 
練習問題
次の作品を成立順に並べかえ、記号で記せ。
イ、『水鏡』
ロ、『大鏡』
ハ、『増鏡』
ニ、『今鏡』
 
 
解答
ロ → ニ → イ → ハ
 
解説
「だいこんみずまし」ですよ。
「水増しダイコン」とまちがえる人がいますが、それでは食品偽装になってしまいますよ。
(って余計なことを言うと、ホントにまちがえる人がいるんですよね)
 
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【2008/02/01 19:09】 | 古文のツボ | トラックバック(0) | コメント(0)
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プロフィール

谷村 長敬(たにむら ちょうけい)

Author:谷村 長敬(たにむら ちょうけい)
1965年生まれ。立教大学大学院修士課程修了。在学中、赤坂憲雄先生に師事。院生による共著に『「注文の多い料理店」考』。お茶の水ゼミナールで国語全般担当。テキスト(現代文・古文)、小テスト(年間3000点分)の作成にたずさわる。2006年、「ワークショップ フットプリンツ」創業。現代文と小論文を並行して演習する講座をはじめる。趣味はスキー。

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