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優秀論文の紹介 其の三
千葉大学園芸学部の後期試験を受験する生徒さんが過去問を解いたものです。


千葉大学 園芸(生物生産科)学部 2003年

〈問題〉
次の文を読んで、下の問に答えなさい。

 バイオテクノロジーの成果の一つとして、遺伝子組換え作物が作り出され、これを用いた遺伝子組換え食品が出回るに至りました。遺伝子組換え作物の普及をめぐっては、世界各国でいろいろな観点から、これを推進するべきだと考える人たちと、これを抑制するべきだと考える人たちとの間で、論議が活発に行われています。

〈問題〉
 遺伝子組換え作物を利用するべきかどうかについては、上述のように色々な議論があります。議論を進める必要上、あなたはこの問題に対して推進の立場をとるか、抑制の対場をとるかをまず決めて、解答用紙の推進または抑制のどちらかを○で囲んでください。
 遺伝子組換え作物の普及について、あなたの選んだ推進または抑制の立場から、その農学、生物学上の理由を600字以内で述べなさい。ただし、あなたがこの問題に対し、推進の立場をとるか、抑制の立場をとるかは採点とは無関係です。

埼玉県立浦和第一女子高校 N・Sさん

〈解答論文〉
立場…抑制

 遺伝子組換え作物の普及について、私は抑制の立場をとる。その理由は、食物連鎖を乱す可能性があるからだ。
 例えば、除草剤に対して強い抵抗力をもった作物があったとする。そこに除草剤をまくと雑草は死滅するが作物は育つ。生産者や消費者は、形のよい作物が大量生産できるため良いが、その雑草が減ることで、それを常食としていた虫や動物も減ってしまう。このことは人の生活にも影響を及ぼす。さらに、除草剤に強い雑草が出現する可能性もあり、それらを駆除するためによりいっそう強い除草剤が開発され、土壌汚染がおこる可能性もある。現に、害虫対抗性をもった遺伝子組換え作物を大量に食べた蝶の幼虫が死んだ、という報告がある。生物というのは、互いに生物同士が関わり、連鎖して生きているものであり、けっして人間も例外ではない。遺伝子組換え作物を大量に食べた動物の肉を人が食べ、人体に影響を及ぼしたり、植物や動物の数が急激に減少し、人が食べられるものが減ってしまったり、という様なことがおこらないとは言い切れない。
 人間が目先の利益を考えて、安易に生態系を乱してしまったら、その影響は必ず人間にも及ぼされ、まさにしっぺ返しを食らうはずである。ゆえに遺伝子組換え作物の普及は抑制するべきなのである。

〈総評〉
学校で普段から新書を読んで、要約、それについてのレポートを書かされてきたとのこと。とても初めて論文の添削を受けるとは思えないぐらい、しっかりした文章を書いています。「読み/書き」を並行してやるのは論述の最良のトレーニングです。学校の先生に感謝しなくてはいけませんね。
見習うべきは次の二点。
・接続関係の明示。
・的確な具体例による例証。

文脈に即して見ていきましょう。

・抑制の立場の明示。
 ↓
・「例えば」と明示して具体例による例証。
 ↓
・「さらに」と明示して、掘り下げ。
 ↓
・「土壌汚染」「食物連鎖の破壊」と重大問題に言及。
 ↓
・最後にコンパクトに要約して結論を明示。

とてもきれいな「流れ」を作り出していますね。
細部の「揚げ足とり」はいくらでもできます。そうではなくて、全体の「流れ」、「大枠」をよく見てほしいのです。
このての課題が課せられると、だいたいの受験生は、
・「Aだし、Bだし、Cだし」
と、「だし系」の論を展開してしまいます。
・「A。またB。またC」
も同じ。ただ漫然と事例を羅列してしまいがちです。そして最後に「一人一人が自覚を持って~」と、とってつけたような結論でおしまい、というパターンです。これで国立の後期試験を通るのはムリというものでしょう。
上にあげた論の優れている点は、「さらに」と深めていることです。

程度(軽い)

さらに

程度(重い)

という「流れ」を作り出すことで、テーマをより深く掘り下げています。

×「A。またB。またC。」→「面」に広げる
○「A、B。さらにC。」→「点」に絞り込む

論述において、接続関係というのはホントに重要なのです。
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プロフィール

谷村 長敬(たにむら ちょうけい)

Author:谷村 長敬(たにむら ちょうけい)
1965年生まれ。立教大学大学院修士課程修了。在学中、赤坂憲雄先生に師事。院生による共著に『「注文の多い料理店」考』。お茶の水ゼミナールで国語全般担当。テキスト(現代文・古文)、小テスト(年間3000点分)の作成にたずさわる。2006年、「ワークショップ フットプリンツ」創業。現代文と小論文を並行して演習する講座をはじめる。趣味はスキー。

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