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大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の十六
「用言の活用」 〈動詞・形容詞・形容動詞の音便〉

用言の仕上げに音便を見ておきましょう。

「音便」とは、他の音に変化することです。

 

 

【動詞の音便】

※中世から派生した音便、現代語と同じものは省略。平安の古文の読解に必要なものだけあげます。

 

★〈ウ音便〉

「ウ」音に変化するものが「ウ音便」。ハ行四段の連用形が「て(接続助詞)」「たり(完了の助動詞)」をともなってウ音便を起こす場合に注意しましょう。

   ・思ひて → 思うて

   ・給ひて → 給うて

 

★★★★★〈撥(はつ)音便〉

ピョンと「撥(は)ねる」ので、「ん」のことを「撥音」と言います。撥音「ん」に変化するものが「撥音便」。

ラ行変格活用(ラ変型活用語)の連体形が推定の助動詞「なり」「めり」をともなって撥音便をおこす場合に要注意!そして、撥音「ん」を表記する文字が無かったため、平安時代の作品はだいたい「ん」が書いてありません。

   ・あるめり → あめり → あめり (読むときは「あんめり」と読む)

   ・あるなり → あなり → あなり (   〃   「あんなり」 〃  )

形容詞補助活用や形容動詞がラ変型活用語なのを忘れないように!この段階では難しいので、推定の助動詞「なり」「めり」のところで詳しく解説しましょう。

 

【形容詞の音便】

〈イ音便〉

連体形がイ音便をおこす場合があります。

   ・高き山 → 高い山

〈ウ音便〉

連用形がウ音便を起こす場合があります。

   ・重くて → 重うて

★★★★★〈撥音便〉

補助活用連体形が推定の助動詞「なり」「めり」をともなって撥音便をおこす場合があります。

   ・うつくしかるなり → うつくしかなり → うつくしかなり

                      (読むときは「うつくしかんなり」と読む)

 

【形容動詞の音便】

★★★★★〈撥音便〉

連体形が推定の助動詞「なり」「めり」をともなって撥音便をおこす場合があります。

   ・あはれなるめり → あはれなめり → あはれなめり

                     (読むときは「あはれなんめり」と読む)

 

 

早稲田大学の古文の難しさは「かな」だと…って、もういいでしょ?次の音便のもとの形を説明してみてください。

   1 恋人を〈おもうて〉手紙を書く。

   2 荷物が〈おもうて〉かなわん。

1は「思ひて」のウ音便、2は「重くて」のウ音便。どうですか?実は音便は、「かな」で書かれると、とたんに難しくなります。上記は文脈がバレバレだから楽勝、もっと文脈が難しくなったらどうします?音便だからといってナメてはいけません。
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【2007/04/20 16:13】 | 古文の基礎 1-20 | トラックバック(0) | コメント(0)
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プロフィール

谷村 長敬(たにむら ちょうけい)

Author:谷村 長敬(たにむら ちょうけい)
1965年生まれ。立教大学大学院修士課程修了。在学中、赤坂憲雄先生に師事。院生による共著に『「注文の多い料理店」考』。お茶の水ゼミナールで国語全般担当。テキスト(現代文・古文)、小テスト(年間3000点分)の作成にたずさわる。2006年、「ワークショップ フットプリンツ」創業。現代文と小論文を並行して演習する講座をはじめる。趣味はスキー。

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