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大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の七十五
「識別」 〈三大識別「なり」「なむ」「に」〉

 

【なむ】の識別】★★★★★

 

1 ~なむ~連体形。 …係助詞「なむ」

基本的には文中で用いられ、文末は連体形で結ぶ。ただの強調で訳す必要はない。

 

2 未然形なむ。 …あつらえ(他に対する希望)の終助詞「なむ」

 ・あつらえ(他に対する希望=~してほしい)

を表現する。基本的に文末で用いられる。

 

3 連用形なむ。 …強意の助動詞「ぬ」未然形「な」+推量・意志の助動詞「む」

・強い推量(きっと~だろう)

・強い意志(きっと~しよう)

・可能推量(~できるだろう)

・適当(~するのがよい)

などを表現する。これも基本的には文末で用いられる表現。

【「む」…「連用形+てむ・なむ」】→大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の五十

 

4 死なむ・往なむ …ナ変動詞「死ぬ・往ぬ」未然形+推量・意志の助動詞「む」

 

例1 あはれなりつる心のほどなむ忘れむ世あるまじき。

(思いやり深かったあなたの心づかいを忘れる時はないだろう。)

※文中で用いられ、文末が「連体形。」(打消推量の助動詞「まじ」連体形「まじき。」)となっていることに着目。基本的に文中で使われていたら係助詞くさいです、が、必ず結びを確認すること。当然、実戦ではバレバレの形では出しません。係助詞「なむ」の結びの省略は、「なむ」の識別問題のお約束のヒッカケ選択肢、みんなひっかかります。

 

例 いと恥づかしうなむ

(とても恥ずかしいことでございます。)

※係助詞「なむ」。結び「侍る(丁寧の補助動詞)」等が省略されています。

シク活用形容詞「恥づかし」の本活用連用形「恥づかしく」のウ音便に接続しています。形容詞の本活用連用形に「なむ」が接続していたら、補助動詞「あり」「侍り(候ふ)」「おはす(おはします)」が省略されていますよ。


これを上記の3、「連用形+なむ」ととったら大間違いです。3の「な」は助動詞だから形容詞に接続する場合は補助活用連用形に接続し、

・恥づかしかりなむ

という形になるはずです。形容詞の補助活用がどのような働きをするのかおさえておくのが重要だというのがわかりますね。


ちなみに、上記2、「未然形+なむ」終助詞も、形容詞には補助活用に接続し、

・恥づかしからなむ

となります。だから、本活用に接続した場合は係助詞「なむ」に決まるのです。

その他、形容詞に限らず、文脈上分かりきっているものはガンガン省略します。例えば、歌について言っている文脈で「歌をなむ。」とあったら、結びを「詠む(連体形)」と補って、「なむ」は係助詞ということになります。場数を踏むべし、です。

 

例2 いつしか梅咲かなむ

(はやく梅が咲いてほしい。)

※「咲く」未然形に接続し、あつらえの終助詞。副詞「いつしか」は意志や                          希望の表現と呼応し「はやく~」と訳します。


 

例3 寝ざらむもわろかりなむ

(寝ないでいるのもきっと良くないだろう。)

※形容詞「悪(わろ)し」の補助活用連用形「悪かり」に接続し(上記の「恥づかしくなむ」と比べてみよう)、強意の助動詞「ぬ」未然形「な」+「む」。ここでは強い推量「きっと~だろう」の意です。

 

※未然形・連用形が同形の活用語(上一段・下一段・上二段・下二段)に接続した場合、接続を見ても、上記の2か3か識別できません。文脈から判断するしかありません。頭の中に即座に「あつらえ・強い推量・強い意志・可能推量・適当」の五つの選択肢を思い浮かべ、適切な訳を選んでください。以前にあげたあげた例文をもう一度検証してみましょう。

 

例 飛び降るとも降(お)りなむ

(飛び降りても降りることができるだろう。)

※「降り」は上二段活用「降る」。未然形も連用形も同じ「降り」です。

未然形なら上記2、連用形なら上記3、接続を見ても判断できませんね。

文脈は、『徒然草』において、木登り名人が「木から降りて来る時にナメてかかってケガをするものだから注意しろ」といっている文脈です。ナメてかかっているということは、木登りをしている者が不可能さの度合をあまく見ているわけです。だから、3の可能推量で訳したいのです。木登りをする者自身が思っている内容ですから、2「飛び降りてほしい」(他に対する希望)はおかしいのです。

 

例 うつたへに忘れなむとにはあらで、

(全く忘れてしまおうというわけではなくて、)

※「忘れ」は下二段活用「忘る」。未然形も連用形も同じ「忘れ」です。

未然形なら上記2、連用形なら上記3、接続を見ても判断できませんね。

文脈は、『土佐日記』において、筆者、紀貫之の奥さんが、死んだ娘のことを思い出して悲しんでいるシーン。「忘れる」というのは、「うつたへに忘れなむ」と思っている奥さん自身の動作なので、3の強い意志で訳したいのです。推量・意志の表現「む・べし・じ・まじ」は、その人自身の動作について使われていたなら意志という傾向があるからです。2、「死んだ娘のことを(他の誰かに)忘れてほしい」と思う母親がはたしているでしょうか?

 

例4 願はくは花の下にて春死なむ

(願うことなら桜の下で春に死にたい。)

※ナ変動詞「死ぬ」未然形「死な」の活用語尾+意志の助動詞「む」。

「死なむ」「往(去)なむ」の形をとったら誰でもわかりそうなものですが、かな書きで「しなむ」「いなむ」と出されたら、なかなかやっかいですよ。それが実戦ということ。

サ変動詞「す」の連用形「し」?とか、ヤ行上一段動詞「射る」の未然形・連用形「い」?とか、ワ行上一段「居る・率る」?とか、選択肢が急に増えてきます。文脈の中で訳していくしかないのです。たかだか「なむ」の識別でも、結局は文脈の読解能力が問われることになります。センター試験、早稲田、上智レベルだったらここまで想定しておかないと、なのです。

【早稲田レベルのひっかけ】→大学入試直前講座 『古文のドツボ』 其の一

 

 

以上、受験生、最後の最後は演習量の勝負!といい続けてきた意味がわかりますね?
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【2007/06/21 22:07】 | 古文の基礎 61-80 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の七十四
「識別」 〈三大識別「なり」「なむ」「に」〉

さて、文法の総仕上げ。三大識別「なり」「なむ」「に」をやっていきます。これらをクリアすれば、文法は卒業、あとはガンガン演習をこなすのみ、やればやるほど雪ダルマ式に実力がついていきます。

 

【「なり」の識別】★★★★★

 

伝聞・推定の助動詞「なり」…終止形(ラ変には連体形)に接続

伝聞(~そうだ・~という)…うわさの文脈で用いられていたら伝聞。

推定(~ようだ)…音、声のする文脈で用いられていたら推定。


 

断定の助動詞「なり」…体言・連体形に接続

断定(~である)

※「場所なる名詞」の形をとったら存在(~にある)

 

3ナリ活用形容動詞

 

4ラ行四段動詞「成る」

 

基本は、接続をしっかり確認することです。

 

例1 をとこもすなる日記といふものを、(男の人も書くという日記というものを、)

…伝聞の助動詞「なり」連体形。サ変動詞「す」終止形に接続している。

例2 をんなもしてみむとてするなり。(女も書いてみようと思って書くのである。)

…断定の助動詞「なり」終止形。サ変動詞「す」連体形「する」に接続している。

 

注Ⅰ・終止形と連体形が同じ活用語(四段活用・上一段活用など)に接続する場合、および、ラ変(型)活用語の連体形に接続する場合(伝聞・推定の「なり」は終止形接続の助動詞だからラ変(型)には連体形に接続)は接続から判断できません。その場合は、文脈をもとにして判断します。

(a)うわさの文脈だったら伝聞。

(b)音、声のする文脈だったら推定。

(c)それ以外は断定と考える。

 

例(a)「奥山に猫またといふものありて、人をくらふなる」と人のいひけるに、

(「山奥に猫またというものがいて、人をとって食うそうだよ」と人が言ったところ、)

※「くらふ」は四段活用で終止・連体同形、接続からはわかりません。話題が山奥の化け物の話だし、まわりの人が言っているところから、うわさの文脈と考え伝聞と判断します。

 

例(b)山のたぎつ瀬音まさるなり

(山の急流の音がいっそう激しくなるようだ。)

※「まさる」は四段活用で終止・連体同形、接続からはわかりません。文脈に「音」とあるから(聴覚による)推定と判断します。ココ、いちばんつっこまれるところです。「音・声→推定」要チェックですよ。

 

注Ⅱ・ただし、次の場合は確定します。


(a)「鳴くなり」「衣(ころも)打つなり」の「なり」は推定。

(b)「撥音便(無表記)+なり」は伝聞・推定。

 

例(a)鴨ぞ鳴くなる 山かげにして

(カモが鳴くようだ。山陰で)

※「鳴く」は四段活用で終止・連体同形、接続からはわかりません。「鳴く」ということはそもそも音、声がしているわけだから(聴覚による)推定と判断できます。

「鳴くなり」「衣打つなり(冬の着物を出してトントンたたく)」とも『新古今和歌集』などで、多用された表現です。ということは、中世歌論などで論じられたりして…。早稲田大学、上智大学など、いかにも出題しそうなところです。

 

例(b)駿河の国にあなる

(駿河の国にあるという山)

※「あるなる」の形だったら「ある」はラ変の連体形だから、断定「なり」も伝聞・推定「なり」も接続できます。しかし、ラ変(型活用語)の撥音便(無表記)というのは、すでに見てきたとおり、推定「なり・めり」の上でおこるものなので、撥音便の下に「なり」とあったら、伝聞・推定の助動詞とわかります。伝聞か推定かは文脈しだいです。


・「あるなり」…文脈から断定か伝聞・推定か判断。

・「あ(ん)なり」…伝聞・推定に確定。


以上、撥音便の無表記パターンをおさえるのがいかに重要か、これでわかりますね。「なり」の識別に決定的にかかわるからです。「撥音便+なり=伝聞・推定」って、文法全体を通じていちばん出るところですが、撥音便を読めないことにははじまりません。

【推定「なり」「めり」にともなう撥音便】→大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の六十二

 

注Ⅲ・形容詞(型)の活用語に接続する場合。


(a)断定は本活用の連体形に接続し「~きなり」の形をとる。

(b)伝聞・推定の助動詞は補助活用の連体形に接続し「~かるなり」の形をとる。


ただし、形容詞(型)の補助活用はラ変に活用するため、撥音便を起こし、「~かんなり」、さらに無表記となって「~かなり」の形をとる場合もあります。

撥音便をおこさず「~かるなり」の形でも、形容詞(型)補助活用の連体形に接続しているので伝聞・推定と判断できるし、撥音便をおこして「~か(ん)なり」となっても先の注Ⅱ(b)から伝聞・推定と判断できます。

 

例(a)艮(うしとら)の方より吹き侍れば、この御前はのどけきなり

(北東の方角から風が吹きますので、こちらの御前は穏やかなの。)

※ク活用形容詞「のどけし」本活用連体形「のどけき」に接続しているので、断定。

ちなみに、これは、形容詞の本活用に助動詞が接続する唯一の例外です(ふつう、助動詞は補助活用に接続します)。


 

例(b)安らかに身をふるまふことも、いと罪重かなり

(気楽にふるまうのもたいそう罪が重いということだ。)

※ク活用形容詞「重し」補助活用の連体形「重かる」が、ラ変型活用語であるため撥音便をおこして無表記になっています。「撥音便+なり」から伝聞・推定と判断できます。

撥音便をおこさず「重かるなり」の形でも、補助活用の連体形に接続していることから、断定ではない、伝聞・推定と判断できます。こまかいですが、ココまでおさえておけば、あとは何をどうきかれても対応できるはずです。

 

例3 蚊やり火ふすぶるもあはれなり

(蚊遣り火がくすぶっているのもしみじみと趣き深い。)

※ナリ活用形容動詞「あはれなり」の活用語尾です。「~なり」で言いきって、様子、状態を表現していたら形容動詞です。

主な形容動詞は重要単語としておさえているはずですから、文法的にアプローチしなくてもだいたい形容動詞とわかるはずです。

ちなみに「~なり」の形は形容動詞ですよ。「げ」ってきたら形容動詞とおさえましょう。「きよげなり」「うつくしげなり」など。

 

例4 子となり給ふべきひとなめり。

(私の子お成りになるはずの人であるようだ。)

※四段動詞「成る」連用形。「なめり」の「な」は断定「なり」連体形「なる」の撥音便の無表記です。

四段動詞「成る」は、だいたい「~に成る」「~と成る」の形をとります。他に「生(な)る」(=実る)、「慣る」(=慣れる)、「鳴る」等の動詞が考えられますが、いずれにしろ文脈上、なにか動作を表現しているはずです。
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【2007/06/20 13:53】 | 古文の基礎 61-80 | トラックバック(0) | コメント(0)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の七十三
「副詞」 〈呼応(陳述)の副詞〉

助動詞、助詞も終わりました。いよいよ仕上げに入っていきます。

副詞は、「呼応の副詞」をしっかりおさえておきましょう。「おーい」と呼べば「はーい」と応える関係だから「呼応の副詞」なんて言われています。「陳述の副詞」とも言います。

口語訳の問題、あるいは虫食い問題でよく出ますね。数もそんなにありませんし、「覚えればおしまい」という文法は、実はいちばんラクチンなのです。

 

【呼応の副詞一覧表】★★★

 

〈打消表現との呼応〉

あへて~打消…まったく~ない

おほかた~打消… 

かけて~ 打消… 

さらに~ 打消… 

すべて~ 打消… 

たえて~ 打消… 

つゆ~  打消… 

つやつや~打消… 

よに ~ 打消… 

をさをさ~打消…少しも、めったに~ない

いたく~ 打消…あまり~ない

  ~ 打消…~できない(不可能)

よも~じ(打消推量)…まさか~ないだろう

いさ~知らず…さあ、どうだかわからない

※打消表現「ず・じ・まじ・で・なし」

 

※「よも」は打消推量「じ」としか呼応しません。「よも~打消」ではありませんよ、「よも~じ(打消推量)」と覚えましょう。ひっかけの王様ですよ。

※「いさ」は「知らず」という表現と呼応します。「いさ~打消」ではありません。「いさ~知らず」です。「いさ、知り給へず」と下二段、謙譲「給ふ」が入ったりして。バリエーションはいろいろありますが、ひっかけられないようにしてください。特にも「いさ」と「知らず」の距離が離れたときに注意が必要です。虫食い問題の王様、語群に「いさ」とあったら、どこかに必ず入るはずですよ。

 

〈禁止表現との呼応〉

ゆめ(ゆめゆめ)~禁止…決して~するな(強い禁止)

あなかしこ ~  禁止 …   

な ~ そ ~しないでくれ、してくれるな(やわらかい禁止)

※禁止表現「~な・~べからず・~まじ」

 

〈希望・意志表現との呼応〉

いつしか~希望・意志…はやく~したい、しよう、してほしい

いかで~ 希望・意志…なんとかして~したい、しよう、してほしい

※希望表現「ばや・てしがな・にしがな がな・もがな・(未然形+)なむ

        ・まほし・たし」

 意志表現「む・べし・じ・まじ」

 

〈仮定表現との呼応〉

たとひ~とも…たとえ~としても

※「とも」は逆接仮定表現

 

〈疑問・反語表現との呼応〉

いかで(か・かは)~推量の助動詞(む・らむ・けむ・べし・まし)

         ~助詞(ぞ・か)

…疑問 どうして・どのようにして~か

 反語 どうして~か、いや、~ない

 

【いかで(副詞)~む(連体形)】 ★★★★

 

「む」が意志なら(なんとかして~しよう

「む」が推量なら、(疑問=どうして~か

(反語=どうして~か、いや~ない

 

文脈に応じて訳し分けます。

「いかでか」の形ならほとんど反語、まれに疑問。「いかでかは」の形ならだいたい反語、という傾向はありあます。とはいえ、疑問か反語かはあくまで文脈しだいです。文脈上、あるいは常識的に答えがわかりきっているのに、わざわざきいているなら反語です。

 

以上、電車の行き帰りにでも覚えてしまいましょう。一往復で覚えてしまいます。

 
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【2007/06/19 16:22】 | 古文の基礎 61-80 | トラックバック(1) | コメント(1)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の七十二
「助詞」 〈終助詞〉

文のおしまいで使われるので、終助詞。

終助詞は希望、願望の表現をしっかりおさえましょう。詠嘆の表現はべつに訳し落としたからどうということもありませんし、直接問われることもないでしょう。終助詞にかぎらず、希望、願望の表現は、とにかく記述で出る傾向がありますから、高配点の問題になりやすいのです。早稲田大学、上智大学なら虫食いで出すでしょう。助動詞「まほし」「たし」とともに、ここでしっかりおさえておきましょう。


 

【希望の終助詞】★★★★★

 

ばや (希望・未然形接続・~したい

てしがな(希望・連用形接続・~したい

にしがな(希望・連用形接続・~したい

 

※自己の希望をあらわすグループです。「ばや・てしがな・にしがな=~したい」とセットにしておさえましょう。虫食い問題になる可能性もあるので、接続もおさえておきましょう。

 

例 世の中に物語といふもののあんなるをいかで見ばやと思ひつつ、

(世の中には物語というものがあるそうだが、なんとかして読みたいと思っては、)

※上一段動詞「見る」未然形「見」に接続。

副詞「いかで」は意志や希望の表現と呼応し、「なんとかして」と訳す。

【呼応の副詞】→後日、詳述していきます。

 

例 いかでこのかぐや姫を得てしがな

(なんとかしてこのかぐや姫を手に入れたいものだ、)

※下二段動詞「得(う)」連用形「得(え)」に接続。

 

例 いかで心として死にもしにしがな

(なんとかして思いどおり死にたいものだ。)

※サ変動詞「す」連用形「し」に接続。

 

 

がな (願望・~であればなあ、~があればなあ、~がほしいなあ

もがな(願望・~であればなあ、~があればなあ、~がほしいなあ

 

※あることがらの実現を望む表現です。上記の希望と区別して「願望」といわれたりしますが、呼び方はさまざまです。呼び方はどうでもいいので、上記「ばや・てしがな・にしがな」とは別モノとして考えてください。文脈に応じていろいろ訳します。場合によっては「~したい」と訳す場合もあったりして…。場数をふんで、いろいろな文脈で訳していきましょう。接続は、体言、格助詞など、さまざまですので、特におさえる必要はありません。とにかく、しっかり訳出できるようにしましょう。

 

例 いかで大納言をがな

(なんとかして大納言の位がほしいなあ。)

 

例 世の中にさらぬわかれのなくもがな

(世の中に死別というものがないとよいのになあ。)

※「さらぬ別れ」=避けられない別れ=死別

 

 

なむ  (あつらえ=他に対する希望・未然形接続~してほしい

 

※他者に対する希望(あつらえ)をあらわします。いわゆる三大識別問題、「なむ」の識別に決定的にかかわる終助詞ですので、「未然形接続」をしっかりおさえてください。

 

例 小倉山みねのもみぢ葉心あらばいまひとたびの行幸(みゆき)待たなむ

(小倉山の峰の紅葉の葉よ、お前にもし心があるなら、

もう一度あるはずの帝のお出ましを散らずに待っていてほしい。)

※四段動詞「待つ」未然形「待た」に接続。

 

例 いつしか梅咲かなむ

(はやく梅が咲いてほしい

※四段動詞「咲く」未然形「咲か」に接続。

副詞「いつしか」は意志や希望の表現と呼応し、「はやく」と訳す。

【呼応の副詞】→後日、詳述していきます。

【「なむ」の識別】→後日、詳述していきます。

 

以上、「ばや・てしがな・にしがな」は機械的に訳をおさえればOK。「がな・もがな」は演習量をこなして場数をふむこと(特にも国立大学を受ける人、記述になりますよ)。「なむ」は識別しっかり、どれもこれも出る!しかも高配点。点差をひろげる大チャンスです。

 

 

【反語の終助詞】★★

 

ものかは  (反語・連体形接続・~だろうか、いや、~ない

 

いちおう、反語もやっておきましょうか。和歌でもよく使われるし、反語の表現は上智大学をはじめ、意訳をしてくるところでは大好きなツッコミどころです。

 

例 車の簾(すだれ)はかけられけるものかは

(牛車のすだれなどかけることができようか、いや、できない

※「られ」は「らる」の連用形。打消・反語の文脈で使われたら可能。


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【2007/06/18 17:11】 | 古文の基礎 61-80 | トラックバック(2) | コメント(2)
大学入試 基礎講座 『古文の基礎』 其の七十一
「助詞」 〈副助詞「だに」「すら」「さへ」 3〉

「だに」は類推「~さえ」、「すら」は類推「~さえ」と訳していると、つい同じノリで「さへ」を「~さえ」と訳したくなります。そこにドツボがまっています。「さへ」は添加で「~までも」と訳すこと。「さへ=までも」と覚えましょう。

 

【副助詞「さへ」…添加】★★★★★ 

 

添加の構文 … A~、Bさへ~ = (Aが~、Bまでも~)

 

※前の内容「A」に対して、「Aばかりでなく、その上さらにB~」と、「B」の内容を付け加える表現です。何に何を加えているのか、「A」と「B」の内容を確認するのがミソです。

ちなみに漢文でいえば

 

不唯A、B~

=唯(た)ダニAノミナラズ、B~)

(Aだけでなく、その上さらにBまでもが~)

 

の累加形がこれと同じ表現です。

平安時代、「さへ」は添加でしか使われませんでした。「さへ」が類推で使われ出すのは中世からです。その名残りで、今、私たちは古文の類推「だに」「すら」や、漢文の抑揚「スラ」を「~さえ」と訳しているのです。メンドクサイ、なやまし~。

でも、受験生が読むのは、ほとんど平安の作品なのだから、ここは一つ腹をくくって「さへ=までも」と覚えてしまいましょう。「さへ」をつっこむなら、添加でしか問題にしないはずです。

 

例 (桐壺帝)ただ涙にひちて明かし暮らさせ給へば、見奉る人さへつゆけき秋なり。

(桐壺帝は、ただ涙にぬれて夜を明かし日を暮らしなさるので、それを見申し上げる人までもが涙がちになる秋である。)

※「桐壷帝(A)が泣いている」

それだけでなく、その上さらに

そのお姿を見申し上げる人(B)までもが泣いている」

と添加しているのがわかりますか?

 

以上。

出題パターンとしては、


1単純な口語訳。「さへ=までも」で選択肢を洗うと五者択一が二択になる、選択肢を消す小ネタとしてよく使えます。

2「さへ」の虫食い問題。空欄の前後が添加の関係になっていることを読み取るのがポイントです。


いずれ、副助詞「だに・すら・さへ」は機械的に訳を覚えてもしようがないということを肝に銘じてください。構文の機能そのものがわかっていないと解けない問題が多いのです。しかも高配点の問題にからみますよ。

普段、演習する際にこれら「だに」「すら」「さへ」の表現は、文脈でどのように機能しているのか確認しながら読むのがポイントです。やっぱり場数の勝負になっていきますね。
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【2007/06/17 14:54】 | 古文の基礎 61-80 | トラックバック(1) | コメント(0)
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プロフィール

谷村 長敬(たにむら ちょうけい)

Author:谷村 長敬(たにむら ちょうけい)
1965年生まれ。立教大学大学院修士課程修了。在学中、赤坂憲雄先生に師事。院生による共著に『「注文の多い料理店」考』。お茶の水ゼミナールで国語全般担当。テキスト(現代文・古文)、小テスト(年間3000点分)の作成にたずさわる。2006年、「ワークショップ フットプリンツ」創業。現代文と小論文を並行して演習する講座をはじめる。趣味はスキー。

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